【column】季節と家族を味方につける「お掃除プラン」

2023.01.25 | お掃除

真新しい新居、いつまでもキレイに保ちたいですよね。毎日のお掃除をもっと効率よく、効果的にして、ピカピカをキープしましょう。「日本清掃収納協会 清掃マイスター1級」の木下衣子さんに、お掃除のポイントを教えてもらいました。

1回目の今回は、四季の気候を利用しつつ、家族みんなが掃除に参加しやすくなる「お掃除プラン」をご紹介します。お掃除の「見える化」で、取り掛かるハードルがグッと下がりますよ!

年間計画を立てましょう

年末はなんとなく大掃除…という固定概念を見直してみませんか。四季おりおりの気候は、お掃除にも利用できます。

春…気候が良く掃除がしやすい時期。水仕事もしやすくなります。台所の換気扇はこの時期の掃除がおすすめ。
夏…日照時間が長く、外回りの清掃に向く。外壁やベランダ、網戸など。洗濯物が増えるので、洗濯機の清掃も。
秋…フローリングのワックスは冬に乾きにくくなるので、秋にしておく。窓を全開にできる気温のうちに、お風呂場のカビ取りを済ませる。
冬…一年で一番汚れが落ちにくい時期。年末は軽く窓ふき程度で。気温の低さを活かした冷蔵庫の清掃がおすすめ。

こうしてみると「年末に大掃除」はかなり難易度が高いことがわかります。木下さんも「年末は忙しいので、ぜひ秋の行楽シーズンに1日、大掃除をしてみてください。汚れが緩み、作業もしやすい気候を活用しましょう」とおすすめしていました。

夏のお掃除は、ぜひ夏休み中のお子さんとご一緒に。水遊び感覚で外回りをきれいにするのがおすすめです。「終わったら『きれいになって嬉しいね!』『ありがとうね』と、掃除の良さと感謝の気持ちを伝えてくださいね」と木下さん。
子育て中、親はつい子どもに「してあげる」ことが多いもの。だからこそ、子どもが親に「してあげる」お手伝いは子どもの自信をはぐくみます。初めは上手にできなくても、やる気をそがない言葉がけを大切にしたいですね。

掃除する場所を「見える化」

次は家の中のどこを掃除するのか、家族みんながパッと見て分かるための工夫です。

季節ごとの計画に、場所の要素を加えると表のようになります。これがあると、やり忘れもなくなりますね。季節の欄には、休日と平日、家族や子どもの行事なども加えていくと、より細かく、お掃除の計画が立ちます。「表を作るときは、おうちの総合プロデューサーになったつもりで!」と木下さん。

掃除の頻度や、どんな場所をどのサイクルで掃除しているかを家族に知ってもらえることも、重要なポイント。掃除は他人事ではないこと、家を大切にしたいという思いを、家族で共有できればなお良いですね♪

担当決めは、「得意」と「身長」で

掃除する場所とタイミングがわかれば、次は誰が担当するか、です。ここが一番の山場かもしれませんね。木下さんのおすすめは「得意」と「身長」で決めること。自分の得意分野を担当するのはわかるけれど、「身長」とは…?

「小さなお子さんと親御さんでは、目線が違いますよね」。つまり、身長によって、気づく汚れ、届く汚れが異なるということ。それを活かして、掃除する高さによって担当を決めてみると無理なく、それぞれが自分の利点を活かしたお掃除ができます。

また、子どもは年齢により、掃除が出来る範囲が大きく変わります。幼いお子さんは実際のところあまり戦力になりませんが、「家族と一緒に大掃除!」というイベント感を演出して、掃除への抵抗を今のうちから減らしておきたいところ。

お子さんが喜ぶ可愛いエプロンやふわふわのホコリ取りワイパー、粘着ローラー(コロコロ)などの軽くて安全な掃除道具を用意し、使い方を教えながらお掃除してもらうのも手です。今はまだ遊びの延長でも、数年後には大きな戦力となるかもしれません。

子どものやる気を引き出すアイテム

いろいろと計画して準備しても、いざお掃除の話題になると、「面倒」「後にしよう」という空気になってしまいがち。家族、とくに子どもが関心を持つには、どんな動機付けをすればよいでしょう。

木下さんのいちおしは、ショッピングモールのトイレなどで見かける清掃チェック表です。

家庭では清掃チェック表のような詳しい内容にする必要はありませんが、上記のような「お掃除表」とかわいいスタンプを用意したら、がぜんやる気が出そう!(お掃除表はネット上で無料ダウンロードできるものがたくさんありますよ)。スタンプを貯めたらご褒美…というのも良いですね。

「片付けや掃除は生きること。だって、生きていたら必ず新陳代謝と排せつがありますから。誰かが始末していること、そしてそれは自分にもできることを、お掃除から学んでほしいですね」と木下さん。しないときに罰があるのではなく、したときに賞賛やご褒美のある環境は、子どもの自主性を育てるのにも一役買いそうです。

取材ライターのつぶやき

何事も、分担するには「見える化」が大切だと改めて実感。日々の家事を表にしていくのは手間ですが、せっかく新居を購入されたタイミング、今こそ「見える化」していただく好機だと思います。季節ごとの天候の恵みも活用しながら、ぜひ家族みんなが参加しやすいお掃除を「プロデューサーになったつもりで」計画してみてくださいね。

今回のSpecialist 日本清掃収納協会認定講師 清掃マイスター1級
木下衣子(きのした きぬこ) さん

「認定講師」資格を持つ清掃マイスター。
「掃除はコミュニケーション」を合言葉に、おもてなしの心が伝わる、効果的なお掃除の方法を教えています。自身の子育て後、清掃マイスターをはじめキャリアコンサルタントやマナー講師などさまざまな資格を取得。幅広い知見と豊富な話題で彩られた講座が人気です。


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