うちラクコミュニティでは3回に渡り「受験の備え方」についてご紹介してきました。
今回は「学問の神様」である菅原道真公を祀る福岡県・太宰府天満宮で毎年10月に開催されている「特別受験合格祈願大祭」をレポートします。
意外と知らない受験合格祈願の作法を、太宰府天満宮の神職を務められている山口敬也さんに教えていただきました。
今年受験される方も、来年受験される方も、ぜひ参考にしてください。
太宰府天満宮・特別受験合格祈願大祭とは

福岡県太宰府市にある全国約10,000社の天満宮の総本宮で、「学問の神様」として知られている菅原道真公(天神さま)の御墓所の上に御本殿が築かれています。
現在その御本殿は2027年斎行の式年大祭へ向けて124年ぶりの大改修工事を行なっており、2026年5月上旬までは仮殿への参拝となります。
普段から多くの受験合格祈願の人が参拝される神社ですが、菅原道真公が33歳で学者として最高位である文章(もんじょう)博士に登用された10月18日にちなみ、10月中を特別受験合格祈願大祭として、より多くの受験生やご家族が訪れます。
▲今回、教えていただいた太宰府天満宮・神職の山口さん。
大祭期間中、楼門では険しい滝を登り切ることができた鯉は龍になるという、登龍門伝説になぞらえた「飛龍天神ねぶた」が飾られています。
太宰府天満宮と昔から繋がりの深い青森の伝統工芸品であるねぶたを、博多の人形師中村弘峰氏、青森県出身のランタンアーティスト三上真輝氏によって共同制作され、2020年から今のデザインになっているのだとか。

鮮やかな青緑色が美しい10月の太宰府天満宮
大祭期間中に特別受験合格の祈願を受けると、鮮やかな青緑色の特別なお札、お守り、絵馬、掛け衿が授与されます。掛け衿は、飾っても良いし、自宅で受験勉強をする時に気持ちを入れるためのハチマキとしても使えます。

また、おみくじの色も青緑色。
この青緑色は、険しい滝を登りきった鯉が龍になるという登龍門伝説の青龍をイメージしているのだとか。

ちなみに、太宰府天満宮のおみくじの色が時期によって変わるというのはご存知でしょうか? 10月中は青龍が描かれた青緑色のおみくじ、境内が新緑で色づく時期には緑色、梅の時期にはピンク色(御門内の梅が咲いてきたら白色に)と、四季折々の自然を表現した色になるのだそう。
絵馬にも青龍が描かれており、志望校と氏名が書けるようになっています。

絵馬には具体的に志望校や名前を書いたほうが、正確に天神さまへ伝えることができますが、他の人の目にも触れるので、気になる方は名前を伏せても問題ないのだそう。

基本的な参拝方法について学ぼう
山口さんの案内で、参拝方法を教えてもらいながら境内を回ります。
参拝の前に「太鼓橋」で心身を清める
参拝する前に心字池(しんじいけ)に架かる三つの橋「太鼓橋」を渡ってきてください。この橋は、それぞれ過去・現在・未来という仏教思想に基づく三世一念を表しており、橋を渡ることで心身を清めることになります。
▲心字池に架かる「太鼓橋」
手水舎(てみずや)での作法
「太鼓橋」を渡ると楼門が見えてきます。楼門の前にある手水舎(てみずや)で心身を清めます。

※流水式手水舎での作法
1. 両手を清める
2. 両手で水をため、口から清める(手の水と口の水は流す)
3. 両手を清める
楼門前で一礼
仮殿には何ヶ所か入る場所がありますが、ぜひ正面にある楼門から入って参拝してください。楼門を通る前には天神さまへ「失礼します」という気持ちで一礼を。
参拝の方法
天満宮御門内にはお守りを受けられる授与所や、おみくじがありますが、まずは参拝を一番先に行います。参拝は、天神さまに願いや祈りを伝えるだけではなく、ご挨拶の意味も込められています。
神職の方々も、奉仕を始める前と後に感謝の気持ちを込めて必ずお参りをしているのだとか。
御神前に到着したら、参拝前にまずは軽く一礼します(参拝後も一礼)。お賽銭を入れる場合はお賽銭を入れてから、
1. 深く二礼します。
2. 両手を胸の高さで合わせ、少し右手前にずらしてから2回拍手します。

3. 両手をきれいに合わせ、お祈りします。

4. 両手を下ろして、深く一礼します。

おみくじを引く
おみくじを開くと、みなさん「大吉」「中吉」などを気にされるかと思いますが、おみくじに書いてある言葉は神様からのお言葉です。ぜひ全て読んでください。
持ち帰っていただいても良いですし、境内に結ばれていく場合は、写真などに撮っていつでも見返せるようにしていただいても良いです。

今回のレポートでは、「学問の神様」である菅原道真公を祀る太宰府天満宮で毎年10月に開催されている「特別受験合格祈願大祭」をレポートしてきました。
次回は、10月に太宰府天満宮に行けない!という受験生やご家族に役立つ合格祈願にまつわる情報をレポートします。

