受験生応援!学問の神様太宰府天満宮レポート②|合格祈願に行くベストタイミングは?遠くて参拝できない場合は?

2025.12.03 | 暮らし全般

うちラクコミュニティでは3回に渡り「受験の備え方」についてご紹介してきました。
今回は「学問の神様」である菅原道真公を祀る福岡県・太宰府天満宮で毎年10月に開催されている「特別受験合格祈願大祭」をレポートします。
意外と知らない受験合格祈願の作法を、太宰府天満宮の神職を務められている山口敬也さんに教えていただきました。
今年受験される方も、来年受験される方も、ぜひ参考にしてください。

合格祈願、参拝に行くベストなタイミングとは?

10月の太宰府天満宮では「特別受験合格祈願大祭」が開催されており、期間中に見られる楼門の「飛龍天神ねぶた」や、特別なお札、お守り、絵馬、掛け衿を受けられますが、10月に参拝にいけなかったらどうしたら良いのでしょうか?

山口さん
「10月はゆかりが深く特別受験合格祈願祭を行なっていますが、太宰府天満宮では1年中合格祈願を行なっておりますので、10月以外でも、ご自身のタイミングでお越しください。」

では、合格祈願に行く、理想的な時間帯はあるのでしょうか?

山口さん
「いつでも大丈夫ですよ。強いて言えば、『日が昇る』という意味でもお日様が昇る午前中が良いのではないでしょうか?
仮殿(御本殿)を囲んでいる門は、開門と閉門の時間が決まっていますのでお気をつけください。開門の時間は春分、秋分の日のよって切り替わり、閉門の時間は月ごとに異なります。(10・11月の場合は6:30開門、19:00閉門 ※詳細は太宰府天満宮ホームページ(外部リンク)をご覧ください)」

住まいが遠くて参拝できない!どうしたらいい?

山口さん
「お住まいがご遠方の方々や諸事情で参拝できない方々のために、ご祈願や、郵送によるお守りやお札のお申込みを承っています。ホームページよりお申込みいただけます。」

受験生本人以外のご家族や親族が代理で参拝されることもあると思いますが、そのようなことは可能なのでしょうか?

山口さん
「はい。もちろん可能です。もし、ご本人様以外が代理で祈願される際は、受付のときにご本人様のお名前をお書きください。」

受験合格祈願のあれこれ噂の真相とは?

インターネットで受験合格祈願について調べると「こうしたほうがいい」という情報が出てきました。この情報は本当なのでしょうか? 山口さんに聞いてみました。

ー合格祈願に行くには志望校などが具体的に決まってから行くのが良いというのは本当でしょうか?

山口さん
「志望校が決まっていても決まっていなくても、合格をお祈りすることに変わりありません。しかし、志望校が決まっていると、より具体的に天神さまへお伝えすることができます。」

ー神様の前で、願い事を言ってはいけないというのは本当でしょうか?

山口さん
「いいえ、神様の前では願い事をお伝えいただいて大丈夫です。神様への感謝のお気持ちを先にお伝えいただいて、お祈りいただくのが良いですね。」

ー購入したお守りの身につけ方、お札の置き方に作法はありますか?

山口さん
「お守りはお粗末にならないように身近なところでお持ちください。
お札はご自宅で目線より高い位置でお祀りください。お札は南向き、もしくは東向きにお祀りするのが良いとされています。」

ー志望校に合格した後のお礼参りは、すぐに行ったほうが良いというのは本当でしょうか?

山口さん
「もちろん、お礼参りは早めに来られたほうが良いですが、ご都合もあると思いますので良きタイミングでお越しいただいても問題ないですよ。
太宰府天満宮では、合格御礼の祈願も承っております。お礼参り祈願をされた方には、御礼絵馬もご用意しております。ぜひ、神様へ感謝の気持ちをお伝えください。」

▲受験合格のお礼参りをされた方に授与される御礼絵馬

太宰府天満宮に来たらぜひ立ち寄って欲しい場所

仮殿

2025年10月現在、御本殿は124年ぶりの大改修中で、現在は仮殿で参拝、祈願が行われています。仮殿のデザイン・設計は、大阪・関西万博の会場デザインプロデューサーも務めた建築家藤本壮介氏によるもの。
仮殿への参拝は2026年5月上旬までなので、気になる方は早めに見に行くことをおすすめします。仮殿の屋根に広がる木々は、境内に移植される予定なのだそう。
菅原道真公が薨去されてから1,125年の節目を迎える2027年に行われる式年大祭へ向けて、御本殿の大改修工事を行なっており、2026年5月中旬に天神さまが御本殿へお戻りになられるのだとか。

お菓子の神様 中島神社

仮殿を正面に見て右手にある中島神社は、お菓子の神様である田道間守命(たじまもりのみこと)を祀られている全国でも珍しい神社です。製菓学校などを目指す受験生は、ぜひお参りに行きたい神社ですね。
毎年春と秋には大祭が行われ、九州各地から多くのお菓子がお供えされるのだとか。また、可愛いお菓子(1500円)のお守りも受けることができます。

樹齢1,000年を超える「大樟(おおくす)」

国指定天然記念物に指定されている大樟は、仮殿を正面に見て左手を出たところで見る事ができます。10月の取材時にも青々とした葉を茂らせていましたが、初夏になると若葉が芽吹き新緑が美しいのだとか。
1,000〜1,500年にわたりこの地を見つめてきた大樟にぜひ立ち寄ってみてください。

【番外編】鷽鳥(うそどり)みくじ

天満宮楼門内の授与所で受けられる「鷽鳥(うそどり)みくじ」。
「鷽(うそ)」という鳥は天神さまのお使いの鳥で、幸運を招く縁起の良い鳥として古くから親しまれています。
合格受験のお守りと合わせて側に置いておくと縁起が良いかもしれません!

志望校に進み、その先の人生も良いものになりますように

太宰府天満宮の境内を案内してくださった神職の山口さん。白衣・袴を着用されているのですぐに神職さんだと分かり、取材中にも参拝者に声をかけられる場面も。
山口さんから来年の受験生に向けてメッセージをいただきました。

山口さん
「過去に合格祈願に来て、無事に受験を合格しましたという方からお声がけいただくこともあります。そのようなご報告をいただけるとこちらも嬉しくなります。
受験は人生の中でも大きな分岐点だと思いますので、学問の神様として慕われている天神さまのお力をいただかれながら、ぜひご自身が望まれる学校に進めるように、さらにその先進まれる道も良いものになるよう心から願っております。」

取材ライターのつぶやき

受験は自分の努力次第と言われてしまうかもしれませんが、神様はどこかできっとその努力を見守ってくださっていると思います。
山口さんもおっしゃっていたように、受験は人生の中でも大きな分岐点。この時ばかりは、神様のお力をお借りしても良いのではないでしょうか?
また、お願い事がある時や年末年始など特別な時だけでなく、日頃から近くの神社で神様へのお礼やご挨拶をして、日常的に神様とお話しておくのも大事かも? と感じた取材でした。
受験生の皆さん、これから本格的な受験シーズンに入りますが身体に気をつけて頑張ってください!

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