家庭内事故を防ぐインテリア|乳幼児-住まいの工夫編

2026.03.11 | 暮らし全般

子どもは食事や入浴、遊びなど、家の中でさまざまな経験をして成長していくもの。一方で、心身の発達とともに家庭で思わぬ事故にあう恐れも出てきます。
子育て中の家族が安心してくつろげるインテリアをつくるアイデアを、作業療法士でインテリアコーディネーターの松本理絵さんに聞きました。
第2回目は「住まいの工夫編」です。

ベランダや窓からの転落を防ぐには

ベランダや窓からの転落事故は3歳から8歳を中心に幅広い年代で発生しています。保護者が注意して見守ることはもちろんですが、特に子どもが一人歩きできるようになる1歳頃からは、事故を防ぐための対策をしたいものですね。

窓やベランダからの転落を防ぐポイント

・子どもが勝手に窓を開閉しないように、子どもの手の届かない位置に補助錠を付ける
・窓やベランダの手すり付近には足場になるものを置かない
・窓や網戸、ベランダの手すり等に劣化がないか定期的に点検する
・小さな子どもだけを家に残して外出しない
・窓を開けた部屋やベランダでは、小さな子どもだけで遊ばせない
・窓枠や出窓に座って遊んだり、窓や網戸に寄りかかったりさせない

(消費者庁「子どもを事故から守る!プロジェクト」から抜粋)

ベランダに、アウトドア用品や家庭用のゴミバケツを置いている場合も要注意です。「特にキッチンに面して勝手口がある場合は、ベランダをゴミ置き場にしている家も多いと思います。でも、小さいお子さんがいる場合は、できるだけキッチンにゴミ箱を置くことをおすすめしています。食器棚やレンジラックの下などにゴミをまとめるスペースをつくり、できるだけベランダに出る回数を少なくする方が良いのではないでしょうか」と松本さん。
子どもは高いところに登り、ジャンプすることが好きなもの。ちょっとした気づかいから危険防止をしていきたいですね。

見落としがちなブラインドの危険

ブラインドは、部屋の明るさを調整でき、窓辺をすっきり見せてくれる人気アイテム。縦型のバーチカルブラインドをコーディネートする方も増えています。一方で、思わぬ事故が起きていることを知っていますか。
「ブラインドを開閉するひもが床近くに垂れている状態は非常に危険で、子どもの首に引っかかり窒息してしまう事故が起きています。インテリア業界としても安全性の高い商品を開発し、購入時に説明をするなど取り組んでいる部分です。お子さんが過ごす部屋では、ひも部分が短いものや、ひもを使わないタイプのものを選びましょう。もしひもが長い場合は、クリップなどで天井近くにまとめてくださいね」。
縦型ブラインドでも、床に近い部分のひもに足をひっかけてしまうことがあるそうです。

キッチンは子どもの視点でチェック

「子どもがキッチンの引き出しで手を挟んだ」
「電気ポットやウォーターサーバー、炊飯器でやけどをした」
「ガスコンロのつまみを回してしまった」

キッチンには水道や引き出し、ガスコンロのつまみなど、子どもの興味をひくものがたくさんあります。「開口部が広くて掃除しやすい、巻き取り式のベビーゲートを設置することをおすすめします。引き出しにはベビーロックを設置して、念のため包丁などは手が届かない場所に収納します。ベビーゲートなどを使ったゾーニングが難しい場合は、子どもの手が届く場所や視界に入る場所をチェックして、危険を取り除いてほしいと思います」。
 
ハイハイをはじめた時期から、対策が必要になります。子どもの成長よりも先回りして環境を整えてあげましょう。

子どもの成長と共に変わるインテリア

事故を防ぐためには、乳幼児の寝る場所にできるだけ物を置かないことが基本。赤ちゃん時代はベビーベッドなどを使って、赤ちゃんが成長したら、親子一緒に寝る家庭も多いのでは。「子どもがベッドから落ちても大丈夫なくらい、低いベッドを選びたいという方もいますね。ローベッドなども販売されていますが、大人にとっては起き上がりにくいというデメリットがあります。私がおすすめするのは、自由に高さを変えられるベッド。乳幼児がいる時は低い位置で、子どもが成長したら大人にちょうど良い高さに合わせることができますよ」。
子どもから目を離せない時期は、数年間で終わるもの。長く使える家具を選んで、大人にとっても過ごしやすいインテリアをキープしていきましょう。

取材ライターのつぶやき

わが家でも、いつの間にか子どもがブラインドに体を引っかけていたことがありました。幸いすぐに気づくことができたのですが、それ以来必ずブラインドのひもをまとめておくようにしています。特に生まれてからの数年間は、万全の注意を払いたいものですね。

今回のSpecialist 松本 理絵(まつもと りえ) さん

「広島一敷居の低いインテリアコーディネーター」として、新築マンションの入居前内装、建売戸建ての窓施工含むコーディネート、一般・プロ向けのインテリア講座などで幅広く活躍。インテリアコーディネーター、二級建築士、作業療法士。


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