【column】照明でおうちをセンスアップ!|新居におすすめの照明プラン

2023.09.06 | 家具・家電

あこがれの新居、もっと素敵にセンスアップしたい! そんな時に役立つのが、毎日使うことになる照明の知識です。フリーのインテリアコーディネーターとして住宅の照明・インテリアを手がける菅昌子さんに「おうちをセンスアップする照明」について聞いてきました。
第3回目は、わが家のプランニングに役立つ「新居におすすめの照明プラン」です!

LDKの調光式照明

リビングとダイニング、キッチンが一体になったLDKの間取り。LDKの全体的な照明には、調光できるタイプを採用することが一般的になりつつあります。
第2回でお話した通り、全体的な照明としてダウンライトかシーリングライトを設置することが多いと思いますが、ここに調光できる仕組みを入れることが重要なポイントです。これは全体照明に加えて、部分的にスポットライトなどを使用する場合にも同様。素敵な照明をつくる基本は多灯使いですので、団らん時には全体的な照明の明るさを絞って、他の照明も一緒に点灯しましょう」と菅さん。

既に明るい部屋で照明を点けても多灯照明の効果は感じられないので、空間全体に複数の明かりを配置していくイメージが大切です。
せっかく調光タイプを採用しているのに、多灯使いを実施していない家庭も多いそう。照明の力を生かして、LDKのイメージチェンジをしてみたいものですね。

暖炉で炎の演出

暖炉にゆらめく炎は、気持ちをリラックスさせてくれるもの。冬は暖かい暖房器具として、暖房がいらない季節には存在感のあるインテリアとしてお部屋をセンスアップすることができます。

「室内に本格的な暖炉をつくるのは大変ですが、最近はバイオエタノールを燃料とした埋め込み式の暖炉があります。戸建てやマンションの内装工事前に計画しておけば、実際の暖炉のように使うことが可能です。煙やすすが出ないため煙突や換気設備いらずで、暖炉のような温かさとオレンジ色の炎を楽しめます」

コンセントに差し込むだけ、家電のように置くだけのコンパクトな暖炉もあるので、手軽に炎の演出を楽しむのもいいですね。

天井を空に見立てる

満天の星がきらめく夜空、太陽光がほどよく差し込む木陰の風景。誰もが自然の中で感じたことがある心地良い光を、自宅のプランに生かすのもおすすめです。

「例えば、子ども部屋にロフトベッドを設置する場合に、星空の見える天窓をつけると素敵なワクワク感を演出することができます」と菅さん。眠る前に夜空を見上げられる空間は、子どもだけの秘密基地として思い出に残りそう。

天窓の設置が難しい場合は、天井に畜光壁紙を採用するアイデアも。あえて照明器具を使わないことで、毎晩夜空の下で眠れるお気に入りの子ども部屋になりそうですね。

もちろん、吹き抜けのリビングや傾斜屋根のある空間に天窓を設置すれば、経済的でエコにもつながります。時間とともに光の強さや方向が変化して、ひとつの空間がさまざまな表情を見せてくれますよ。

棚やニッチに小さな照明

すっきりと片付けて好きなものを飾っているのに、なぜかインテリアが物足りないことはありませんか。
「私が見る限りでは、ドラマや映画などで雰囲気がいいなと思う部屋は、ごく普通の人が住んでいる設定でも多灯使いをしていることが多いと思います。ちょっとしたチェストの上やソファ横の床、サイドテーブルなどにも照明がありますね」
雑貨や植物を置く感覚で照明を取り入れると、小さな明かりでも印象は大きく変わります。

「最近は、リビングや玄関の壁を利用してニッチ棚を作ることも多いですが、上部にニッチ用の小さな照明を取り付けるとインテリアのアクセントに。棚に飾った植物や絵を照らすと、ぐっとスタイリッシュになります」

入居前、内装工事前にあらかじめ照明計画を立てると、配線や電源の位置に悩むことなく多灯使いで居心地の良い部屋をつくることができますよ。

照明メーカーのシミュレーション

照明の明るさはワット数や照度で示されますが、第1回で紹介したように壁や床、天井の仕上げ材、色、壁の傾斜などによっても明るさは変わるもの。

「照明メーカーによっては、照明を取り付けた時の明るさを自宅に置き換えてみることができるシミュレーションを購入前に利用することができます。照明器具を取り付ける前に、自宅の明かりがどうなるか試してみるといいでしょう」と菅さん。

架空のリビングでの照明シミュレーションをホームページで公開しているメーカーもあるので、照明による変化を体験してみるのもいいですね。

取材ライターのつぶやき

リビングの天井照明に調光機能があるのに、インテリアに生かせていなかったわが家。単に明るさを調整するだけではなく、空間全体で光の演出をできる仕組みだということに今回初めて気づいた次第です。照明器具だけでなく、天窓や暖炉の炎をインテリアに取り入れるなんて、まさに五感をフル活用したロマンティックな提案ですよね。まずは子ども部屋に、もう一つ明かりを足してみようと思います。

今回のSpecialist インテリアコーディネートHYGGE(ヒュッゲ)
菅 昌子(すが しょうこ) さん

「本当に住みたい部屋 もっとあなたらしい部屋へ」をコンセプトに、フリーランスのインテリアコーディネーターとして個人邸の新築とリフォーム、模様替えを手がける。
メディア取材や専門家としての記事監修も行っている。
公益社団法人インテリア産業協会 インテリアコーディネーター
一般社団法人 日本ライティングコーディネート協会 ライティングコーディネーター


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