2023年に「新居で使いたい便利家電」というテーマで、5つの記事を公開しました。(過去の記事はこちら)
2年ぶりとなる今回も、自宅に300を超える家電を所有し、実際に使用しながら「家電の便利さ」を各種メディアで伝えている、家電ライターの田中真紀子さんにご指南いただき、いま知っておきたい家電情報を全4回でお届けします。第1回目は、家電のトレンドについてご紹介します!
※価格は執筆時、編集部調べ
目次
家電業界の状況とトレンドについて
「家電業界全体の傾向として、中〜低価格帯の製品の機能が高くなってきています」と話す田中さん。今までは、本当によいものが欲しければ高価格な高機能モデルを選ぶしかないところがありましたが、今は値段も機能もちょうどいいものが増え、選びやすくなったそうです。
その背景には「中国メーカーや新興メーカー、またニトリなど家電メーカー以外からの家電業界本格参入があります。価格は安くてもいいものが増えている印象です」。一方で高級家電市場も活性化しており、業界は高級家電と中低価格帯家電が、二分化している状況です。

高機能を誇る製品では、AIを搭載した家電がますます進化しています。「例えば、洗濯物の量だけでなく汚れに合わせてコースを自動設定する洗濯機や、庫内の在庫をカメラで撮影し、AIが食材を認識してリスト化してくれる冷蔵庫、生成AIが献立相談に乗ってくれるオーブンレンジが登場するなど、ユーザーの設定や知識以上の機能を引き出してくれる家電も続々登場しています」。
さらに最近は“タイパ”(タイムパフォーマンス)をキーワードにした家電もトレンドの1つ。「オーブンレンジの中には、電子レンジで中を温めた後、表面をオーブンでこんがり焼く“リレー調理”を行うことで、調理時間が短縮するものが続々と登場していますし、ロボット掃除機は水拭きと掃除機がけを同時に行うものが主流となりつつあります」。“お手入れの手間を減らす”といった切り口でタイパをうたうものも多いそうです。
家電購入を考えている読者へのアドバイス
家電の価格が二分化しているため、購入の際は悩んでしまうことも多いと思いますが「必ずしも高い方が良いと考える必要はありません」と田中さんは言います。
「高機能であるに越したことはありませんが、実際には使いこなせないという方も多いのではないでしょうか。また、自分である程度、家事に手をかけたいなら高機能である必要もありません。むしろ10年使うことを考えると、優先したいのが「気に入って長く使えること」なので、デザインの好みや、迷うことなく全機能が使いこなせる“ユーザビリティーの高さ”も重要です。
まずはネットで機能を確認したうえで、できれば家電量販店などに出向いて実物を触り、デザインや使用感をチェックするといいですね」。

また、田中さん個人としては「オーブンレンジはこだわって選んでほしい家電の1つ」と言います。「今のオーブンレンジは便利な機能が満載です。使いこなせると、ほったらかしで作れる料理が増えるので、忙しくて料理を作る時間がない、料理が苦手という人は、特に力を入れて選んでほしいですね」。
価格、機能、使い勝手…比較すべき点がたくさんあるので購入時は悩ましいところですが、「プロがお薦めしている」というのは、大きな判断材料の1つ。家電ライター田中さんに選んでもらった、“トレンド感のある商品”を3つご紹介します。
〈アラジン〉グラファイトオーブンレンジ
▲カラーは、レトロなグリーンとナチュラルなホワイトの2色。価格:各67,100円(画像/筆者撮影)
商品の特長とトレンド機能
アラジンといえば、0.2秒で発熱し、最高1300℃の高温になる「グラファイトヒーター」を搭載し、短時間でカリッとおいしく焼けるトースターが人気です。そのヒーターを搭載したオーブンレンジが登場。ヒーター加熱とレンジ加熱を組み合わせた加熱機能により、短時間で中をすばやく温め、外もこんがり焼き上げます。蓄熱性の高い「ヒートトレイ」を採用することで、トーストは裏返さなくても裏までこんがり。レトロな見た目も人気です。
▲専用付属品「ヒートトレイ」。メニューに応じて使い分けることで、トーストなら外はカリッと中はモチモチに、お惣菜もまるでできたてのような仕上がりに。赤外線センサーが食材の温度を瞬時に検知し、ムラのない加熱をサポート(画像:P Rタイムスより)
▲メニュー例。タイパを実現させながら、料理のバリエーションも広がりそうです(画像/筆者撮影)
家電ライター田中さんがおススメするポイント
アラジンはもともと「グラファイトヒーター」を搭載したオーブントースターの人気が高く、バルミューダと人気を二分するほど。そのオーブントースターのデザインとヒーターを踏襲したことで、6万円台のミドルクラスながら高火力かつ短時間で調理できるのがポイントです。ヒーターを活用した解凍機能もムラなく解凍できるので、食材を冷凍することが多い人にもおすすめです。
〈ロボロック〉ロボット掃除機 Roborock Saros 10
画像/ロボロック提供
ロボット掃除機をストレスなく使いこなし、部屋を徹底的にきれいにしたいなら、やはり上位モデルがおすすめです。今のトレンドは、掃除機をかけながら水拭きができ、充電台に戻ったらゴミを吸い上げてモップも洗浄、乾燥まで行う“オールインタイプ”です。
特に上位モデルは、カメラを搭載しているため障害物を避けることができるほか、届きにくい隅までアプローチできる機能が充実しており、今までできなかったことができるようになっています。
▲マッピング機能:フロア全体の間取りを把握して地図を作成し、隅々まで効率よく掃除。 高性能なLDSレーザーマッピングで360度間取りをスキャンし、リアルタイムでマップを生成しながら効率的に走行します(画像/ロボロック提供)
「Saros 10」はロボロックの最新ハイエンドモデル。本体の高さが7.98cmと薄くなったことで低い家具の下も掃除できるほか、前輪を持ち上げるので最大4cmまでの二層の段差(一層の段差は最大3cmまで)も乗り越えることが可能です。さらに届きにくい部屋の隅には、サイドブラシを伸ばしてアプローチするなど、可動域もぐんと広がっています。
▲サイドブラシを伸ばして隅のゴミにアプローチ(画像/ロボロック提供)
家電ライター田中さんがおススメするポイント
ロボット掃除機は、値段に比して清掃力が高くなり、お手入れの手間が少なくなっていきます。ロボロックの上位モデルも、かゆいところに手が届く仕様で、動きも賢いので基本的には丸ごとお任せ。特に今まで入り込めなかった棚下や、段差があって移動できなかった部屋にもアプローチできるので、自分で掃除する場所がさらに減ります。新居を検討する際は、ロボット掃除機置き場も決めておくと、より使いやすくなっておすすめです。
〈パナソニック〉AIカメラ搭載冷蔵庫NR-F53CV1
▲冷蔵庫カメラを搭載したパナソニックの冷蔵庫NR-F53CV1。336,600円(画像/パナソニック提供)
冷蔵庫カメラを搭載し、庫内の在庫がスマートフォンで確認できるだけでなく、AIが60種類の野菜を自動で識別し、鮮度や消費優先度まで見極めてくれる画期的な機能を搭載。冷蔵庫自体の機能も高く、肉や野菜を約−3℃で微凍結して鮮度を長持ちさせたり、葉物野菜の鮮度を約10日間キープできたりします。
独自イオン「ナノイーX」による除菌・脱臭効果も。食材を管理しつつ鮮度を保ち、フードロスが少なくなる機能が満載です。
▲広角、狭角望遠の2つのカメラで、扉・引き出し(野菜室・冷凍室)を開けた時に庫内の画像を撮影します(画像/パナソニック提供)
家電ライター田中さんがおススメするポイント
冷蔵庫は食生活を支える要ともいえる存在です。冷蔵庫内の管理がうまくいかないと、あると思っていた食材がなくて献立が変更になった、逆に二重買いして腐らせてしまった、まとめ買いしたけど鮮度が心配で、結局食べずに捨ててしまった…などの経験はありませんか?そんな悩みを解決してくれるのが、冷蔵庫カメラとAI、そして鮮度保持機能。食材管理を助けてくれる、力強い味方になってくれるはずです。
取材ライターのつぶやき
実は最近、エアコンと炊飯器が壊れ、どちらも早急に必要だったため慌てて購入。炊飯器については、以前の炊飯器より機能的に満足できず、もっと調べて買えば良かったと、この記事を書きながら激しく後悔しています。そしてたった今、目の前にあるT Vの液晶にいろんな筋が…。トレンド家電を取り入れるチャンスと、前向きに考えるようにします。
今回のSpecialist 田中真紀子(たなかまきこ) さん

最新家電の情報をいち早く入手し、雑誌やウェブなどで紹介している家電ライター。
今まで執筆に携わった家電数は1500近くにおよび、最新家電をストックする部屋もある自宅には、常時300を超える家電を所持。実生活で使用しながら主婦目線で執筆し、家電の魅力を幅広く伝えている。
メディアやメーカーからの取材・監修に加え、専門家としての記事監修、企業コンサルタント、アドバイザー業務もこなしている。
TikTok「家電のまきこさん」も定期更新中。
田中真紀子オフィシャルホームページhttps://makiko-beautifullife.com/

