早春から色とりどりの花が咲き、春の訪れを感じさせてくれるアネモネ。
赤、ピンク、青、紫、白などカラフルな花びらがパッと開き、春の庭やベランダを明るく演出してくれます。初心者にも育てやすく、水はけが良く日の当たる場所で肥料を多めに与えれば、何年も楽しめます。
アネモネの基本情報

早春の風が吹き始めると開花するといわれるアネモネ。
アネモネは、地中海原産のキンポウゲ科・アネモネ属・イチリンソウ属で、冬から春にかけて赤や紫色などの鮮やかな花をつける多年草植物です。
和名:ボタンイチゲ、ハナイチゲ、ベニバナオキナグサになります。
「はかない恋」「恋の苦しみ」「見捨てられた」「見放された」という過去の片思いを表すことが多いアネモネの花言葉。現在では、愛の言葉を贈るために赤のアネモネの花を贈ることがあります。
春の始まりを表す季節に花を咲かせることから、英語では「WindFlower」風の花と言われています。
アネモネの品種

アネモネ・コロナリア
「花冠」の意味をもつ地中海原産。和名はボタンイチゲと言い、バラエティーに富んだ数の品種があるのが特徴です。
アネモネ・フルゲンス
「かがやきのある」という意味を持つ、野生種同士が自然に配合してできた品種。
アネモネ・ブロンダ
地中海沿岸原産で、小菊のような愛らしくて小さな花が特徴。
アネモネ・デカン
ポピーのような5,6枚の花をつけることが特徴。切花に良く使われているので一番見かける人も多いのではないでしょうか
アネモネ・セントブリッジ
細く数の多い花弁が特徴的です。背花が小さいので結構目立つことも。デカンのような花弁が大きい花と一緒に育てると目立って可愛いですよ。
モナリザ
大きくて薄い花弁で、八重咲きをするのが特徴的な花。デカンに比べて、花弁の形が優しい雰囲気を醸し出していますので「柔らかい」と表現されることも多いのだとか。

アネモネの育て方

植え付け・植え替え
アネモネの植え付け期は、秋が深まる10月~12月になります。
基本は球根から育てることが一般的で、10月に植え、種まきは9月頃に行います。
アネモネの球根の形は、上下がわかりにくい、ユニークな形をしています。

デカンやモナークなどの品種は、尖ったほうを下にします。他の形をした品種もあるので、説明書きがある場合は、必ず読んでから上下を確認しましょう。もしわからない場合は、横向きに植えるのも手です。
気温が高い10月までは、球根は植え付け前に吸水処理をしておくと失敗が減ります。
湿らせたバーミキュライトや清潔な砂に球根を埋めて、冷蔵庫内で1~2週間ほどゆっくりかけて吸水させてから植え付けましょう。
鉢植えの場合の用土は軽く湿らせておき、土が球根の上に1cmほどかかる程度に浅く植えつけます。
アネモネに適した土
水はけのよいもので、有機物を多く含んだ用土を好み、弱アルカリ性の用土を好みます。
酸性を嫌うので、市販の草花用培養土を使用してください。
水やり
地植えのアネモネは水やりをたっぷりと与えましょう。芽が出るまでは、ちょくちょくチェックして乾燥が続くようなら水やりを忘れずに。午前中に水やりを行う方が良いかもしれません。
鉢植えの場合も、表面が乾けば水やりを行ってください。コンテナの場合は鉢底から流れ出すくらいに水やりを行うと良いでしょう。生育期の時は液体肥料だと追肥が可能になります。
開花時期
秋に植えたアネモネは2月頃から順に花を咲かせていってくれます。5月頃まで花を楽しむことができるので、最盛期は3~4月頃になります。
アネモネに適した環境

置き場所
花つきの株を真冬に手に入れた場合は凍らない場所に置きましょう。
とにかく高温多湿を嫌うアネモネの花は、水はけがよく、日当たりも風通しも良い場所を好みます。冬の冷たさを経験しないと咲かない花なのでしっかりと日光に当ててください。
室内栽培の場合
冷たい空気にしっかり触れないとお花が咲きません。
5℃位の低温に一か月以上当てるようにしましょう。最低気温5〜10℃で最もよく育ちます。
室内では生育適温の10〜15℃を保つ場所に置き、一つ一つの花がゆっくり大きく、小さな蕾まで咲かせることができるため、長い期間、次々と咲く花を楽しめます。
球根が腐る理由と腐らないようにするには

1.植え付けの適期より早過ぎる
アネモネは寒さに強く、暑さに弱い草花です。そのため、適期(10月中旬~11月の終わりくらい)より早い植え付けは、球根を腐らせる原因の1つになります。
2.過湿になり過ぎる
乾燥させた球根を植えつける前に吸水と芽出しを行い、鉢にアネモネを植えたままにしてしまうと、過湿状態になり、アネモネの球根は腐ってしまいます。
秋は特に長雨になりやすいので、過湿状態にならないよう、十分に気を付けて栽培しましょう。
3.休眠中の球根管理に問題が?
アネモネは花の終わり頃になると葉が黄色くなります。このタイミングで球根は掘りあげて、晩秋に植え付けるまで風通しの良い場所で乾燥させます。
この掘り上げの作業を行わず、植えっぱなしにしてしまうと、アネモネの球根が腐りやすくなってしまいます。
アネモネの魅力

見た目も豪華絢爛で美しい上に、比較的育てやすいアネモネ。
早春の花壇や鉢植えを彩るアネモネには個性的な品種がたくさんあります。
たくさんの品種の中から自由に選ぶことができるのも、まさにアネモネの大きな魅力!
また、大きく開花したアネモネの姿も魅力的ですが、これから花開こうとしている蕾の姿にも美しさがあります。
ガーデニング初心者の方も、2月~5月頃まで立派に咲いてくれるアネモネから、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

