ミントやバジル、イタリアンパセリやオレガノなど、香りがよく種類も豊富で人気のハーブ。種から簡単に栽培できるものもあるので、お庭やベランダでの栽培にもおすすめ。
ハーブの特徴や、栽培時期、簡単な育て方をご紹介します。家庭菜園で育てたハーブで食卓を彩ってみませんか?
料理に最適なハーブ8選

イタリア料理、タイ料理などはもちろん、肉料理や魚料理など、さまざまな料理に使えるハーブをご紹介します。
香りがよく鮮やかなハーブは、食べるときに欠かせないアクセントとなります。 飾りとして料理に添えても、おしゃれな印象になりますよ。
バジル

独特な風味のバジルはさまざまな料理に使われますが、特にイタリア料理に多く用いられるハーブの一つです。
ピザなどに葉をそのままの形で乗せて焼いたり、 葉をミキサーで細かくしてジェノベーゼソースにしたりと、いろいろな使い方ができます。 また、乾燥させればドレッシングやパスタのトッピングなどにも使えるので、何かと役に立つハーブです。
〈植え付け時期〉4月~9月頃
〈収穫時期〉5月〜11月頃
〈環境・育て方〉
日光が当たり風通しの良い場所で、苗からプランターで育てると失敗が少なくおすすめです。直射日光の強い夏は、半日陰になるような場所で管理します。
室内の場合は、水耕栽培がおすすめ。水耕栽培では毎日水を取り替えて、衛生的な環境を保つのもポイント。ローズマリー

香りが強いローズマリーは、肉や野菜の臭みを消したり、焼き菓子では香りづけに使われたりします。
また、乾燥させてリースの材料にも使用されることが多く、1株あると大変便利です。
〈植え付け時期〉4月〜5月、9月〜11月
〈収穫時期〉4月〜11月頃
〈環境・育て方〉
ローズマリーは真夏の直射日光を浴びても大丈夫なほど、日当たりのよい場所を好みます。
室内で育てるなら、移動させやすく水はけのよい鉢植えがおすすめです。
また、乾燥には強いですが湿気が大の苦手なため、風通しをよくすることも大切です。
ミント

ミントは品種や種類も多く、ハーブの中でも特に初心者にも人気があります。 料理やデザートへ彩りを加えるほかに、天然の虫よけとしての利用方法も。
種類によって特徴は異なりますが、一般的によく使われるスペアミントは料理に、 ペパーミントはミントティーにするなど、飲料に向いているのが特徴です。
〈植え付け時期〉4月〜5月、9月〜10月
〈収穫時期〉4月〜11月頃
〈環境・育て方〉
ミントの多くは多年草で、枝を切って水の入ったコップへ挿しておくだけでも根が出るほど丈夫なため、栽培は簡単です。
耐寒性、耐暑性ともに優れていますが、夏は水切れを起こしやすいため、 室内の半日陰の場所に移してあげましょう。シソ(紫蘇:しそ)

薬味としても多用される「大葉」は、実は青じそのこと。さらに「エゴマ」もシソの仲間です。
ビタミンやミネラルも多く含み、シソの葉のポリフェノールは薬味としておいしいだけでなく、消臭効果や抗酸化作用も期待されています。
〈植え付け時期〉5月〜7月頃 ※種類により異なる
〈収穫時期〉10月頃まで ※種類により異なる
〈環境・育て方〉
置き場所は日当たりの良い場所がおすすめです。プランターなどに苗を植え付けた直後、根がしっかりと張るまでは水をたっぷりと与えるように意識しましょう。
シソは乾燥に弱い植物ですので、水が不足すると成長が止まってしまいます。パクチー

パクチーは、葉や茎に独特な香りのあるハーブで、 香菜(シャンツァイ)やコリアンダーとも呼ばれます。 パクチーはエスニック料理に欠かせないハーブで、生春巻きやエスニック風のスープなどにもよく使われます。
〈植え付け時期〉3月~4月、9月~10月頃
〈収穫時期〉3月~5月、9月~11月頃
〈環境・育て方〉
日当りが良い場所を好みますが、日陰でも問題ありません。 乾燥させないように注意しなければなりませんが、高温多湿が苦手です。 土は少し乾燥気味に育てると良いでしょう。
花が咲くと花を咲かせるために大切な栄養を使ってしまい、株や葉が弱ってしまうため、花芽が伸びたらすぐに摘み取りましょう。パセリ

料理の添え物としてのイメージが強いパセリですが、 実はビタミン、カルシウム、マグネシウム、そしてミネラルなどを豊富に含んでおり、栄養価が非常に高い植物です。
また、胃腸の調子を整えてくれることでも知られており、古くから民間医療にも重宝されてきました。
〈植え付け時期〉3月~5月(春植え)、9月~10月(秋植え)
〈収穫時期〉種まきから約70日後
〈環境・育て方〉
パセリは日光を好みます。 室内でプランター栽培するなら、日当たりがよく風通しのよい場所を選びましょう。
パセリはまっすぐ下に根を伸ばす性質を持っているので、プランター栽培や鉢植えの場合は底の深いタイプを選びましょう。60㎝のプランターで2~3株植えられます。レモングラス

レモンのような爽やかな香りがあるレモングラスは、 エスニック料理の香りづけとしてよく使われます。
レモングラスは害虫もあまりつかない、病気もほとんどしない強健なハーブ。ハーブティーならホットでゆっくり飲んでも冷やしてゴクゴク飲んでも癒されるので、常備しておきたいハーブですね。
〈植え付け時期〉3月中旬~5月中旬頃
〈収穫時期〉4月下旬~10月
〈環境・育て方〉
日当たりと水はけ、そして風通しの良い場所で管理してください。耐寒性はあまりなく、冬越しには向いていません。
植えつけは地植えでもプランターでも大丈夫。 発芽気温は大体20~25度。 レモングラスは苗から育てるのがおすすめです。
タイム

タイムの品種は非常に多く、品種によって香りもさまざまです。 料理では主に魚や肉料理の香りづけとして使われます。 また、殺菌・防腐作用があり、その芳香からアロマオイルとしてもよく使われます。
〈植え付け時期〉3月~6月(春植え)、9月~11月(秋植え)
〈収穫時期〉1年中
〈環境・育て方〉
日当たりと風通し、水はけが良く、乾燥気味の場所を好むので、石組みの間、砂利混じりの花壇の小路横などやせた土地でも育ちます。
夏の暑さにも冬の寒さにも強く、雪の下で越冬して春には芽吹いてきます。また、タイムが好む条件下で栽培していれば害虫や病気の恐れがほとんどありません。
ハーブティーに最適なハーブ4選

ハーブは料理にはもちろん、ハーブティーとしても楽しむことができます。 ここでは、ハーブティーに最適な、香りのよいハーブをご紹介します。
ラベンダー

優雅でリラックス効果のある香りがする、ハーブの中でも人気のラベンダー。昔は体の不調を整える効果も期待されていました。ラベンダーの精油はリラックスや精神安定、沈静作用、強壮に使用されることもあります。
ハーブの中では、比較的初心者でも育てやすい種類といわれています。
〈植え付け時期〉3月~5月頃
〈収穫時期〉5月~7月頃
〈環境・育て方〉
日当たりが良く、水はけが良い場所がおすすめです。 夏の高温多湿に弱いので、風通しが良い場所が良いでしょう。
苗は、一年中出回っていることの多いラベンダーですが、春に購入したものの方が管理は楽です。土は、ハーブ用の培養土でも良いですが、できれば「ラベンダー用」と書かれたものがおすすめです。
カモミール

風邪や頭痛、ストレスや胃の痛みに効果的として、ハーブティーとして活用されることが多いカモミール。
ジャーマンカモミールとローマンカモミールの2種類が代表的な品種です。 ジャーマンカモミールは一年草で、ローマンカモミールは多年草。 栽培する場合は、ジャーマンカモミールの方が比較的簡単です。
〈植え付け時期〉3月~4月上旬、9月下旬~11月
〈収穫時期〉3月~6月頃
〈環境・育て方〉
日当たりと水はけの良い場所がベスト。高温多湿が苦手なので、乾燥気味なくらいで育ててあげましょう。寒さには強く丈夫です。霜などに注意すれば、冬越しに腰を折ることはないでしょう。レモンバーム

さわやかなシトラスの香りには、鎮静や鎮痛効果があるといわれ、 ハーブティーとしても人気があります。 葉は生のまま使用すると香りがさらに際立つので、料理やお菓子の香りづけとしても使われます。
〈植え付け時期〉4-5月、9-10月
〈収穫時期〉4-10月頃
〈環境・育て方〉
レモンバームは寒さに強く、やや湿気のある場所を好みます。 そのため、栽培では乾燥に注意しましょう。 比較的育てやすいハーブなので、家庭菜園初心者向きともいえます。
宿根草なので毎年新しい芽を見る事ができますが、 何年も同じところで育てていると生長が衰えてきます。 鉢植えの場合は1-2年、地植えの場合は3-4年に1回、植え替えをおすすめします。
ワイルドストロベリー

一般的に食用とされるオランダイチゴを小さくしたような姿のワイルドストロベリー。 小粒でもイチゴの甘い香りが漂い、葉の部分はハーブティーにもなります。
〈植え付け時期〉3月~6月 9月~11月
〈結実期〉5月~7月
〈環境・育て方〉
日当たりと水はけの良い場所を好みます。日陰や湿地では育たないので気をつけましょう。湿地は嫌いますが、根が浅いので予想以上に水分が必要です。水はけが良く水が切れしないように注意して、土が乾き始めたら水やりを行いましょう。
自家製のハーブで楽しみ方いろいろ

人気のハーブや、育てやすく初心者にもおすすめのハーブをご紹介しました。 調理やハーブティーに使うだけではなく、花や葉を見ても楽しめるハーブ。この機会にぜひ家庭菜園で栽培してみてくださいね。

