不動の人気を誇るトマトは、家庭菜園に欠かせない夏野菜です。品種も多く、鈴なりに実るのが魅力ですね。地植えに限らずプランターでも栽培しやすく、初心者が収穫の喜びを味わう第一歩としてもおすすめ。
今回はベランダ菜園やプランターでの栽培のポイントをご紹介します。
トマトとは?

トマトは栄養面や機能性に優れており、ビタミンCや、体内でビタミンAへと変化するカロテン、 抗酸化作用をもつリコピンを多く含んでいます。リコピンの働きは、同じく抗酸化作用があるビタミンEと比べて100倍以上あるとも言われています。
トマトと一言でいっても、その種類はさまざまです。
おすすめの代表的な品種をご紹介します。
・桃太郎
市場に出回るトマトのなかで、最も一般的な大玉トマトです。 桃太郎を小さめに作り、糖度を凝縮させたものは「フルーツトマト」の一種となります。
・フルティカ
2008年に登録された、比較的新しい品種のミディトマトです。生のままでも食べやすいクセのなさや甘みが特徴です。
・アイコ
卵形で、歯ごたえがしっかりあるミニトマトです。その形から「ロケットミニ」と言われることも。色違いの黄色い品種、「イエローアイコ」も人気です。
栽培する場合は、プランターで育てやすいミニトマトから始めるのがおすすめです。大玉の品種に比べて糖度が高い上に、強く傷みにくいという特徴があり、初心者でも安心して育てられますよ。
トマト栽培スケジュールと準備

トマトの栽培スケジュール
・種まき期:3〜5月中旬
・植え付け期:4月下旬〜6月
・収穫期:6月下旬〜10月上旬地域や品種によって多少違いはありますが、家庭菜園の場合は上記のような栽培スケジュールが一般的です。
最適な環境
日当たりがよく風通しのいい場所を好みます。ただし、ベランダで育てる場合は、室外機の風が当たらないところをトマトの置き場所としましょう。
最適なプランター
トマトは根が深く伸びるため、プランターには土をたくさん入れる必要があります。
また、土を多くすることで、肥料や水分をしっかり保たせることにもつながります。
丸型なら10号サイズで深さが30cm以上のもの、長方形なら幅、奥行き、高さ、それぞれが30cm以上ある大きめのプランターを用意しましょう。
最適な土と鉢底石
トマトは多湿な環境を嫌うため、用土は水はけを良くすることが大切です。栄養のバランスよく元肥料が配合されている、市販の培養土を使うと良いでしょう。
プランター栽培に欠かせないのが鉢底石です。プランターの底にしいて使い、土の排水を促します。
苗からはじめるトマト栽培~良い苗の選び方~

トマトは種から育てることもできますが、初心者は苗を買ってきて育てるのがおすすめです。
ただし、選んだ苗が弱っていたりすると、思うように実がなってくれないこともあります。
良い苗を選ぶポイント
・主枝が太くて節の間隔が狭い
主枝が細くなっているものは栄養が行きわたっていない可能性があるため、なるべく主枝が太くてまっすぐ伸びている苗を選びましょう。
・葉の色が濃くつやが良い
葉が変色していたり、斑点があるものは病気だったり栄養状態がよくないものであったりするので、緑の色が濃いものを選びましょう。
・花や蕾がついている
花房が咲きかけているくらいが植え付けに適した時期となるので、花や蕾がついている苗がおすすめです。
トマトの育て方

植え付け
プランターに植え付ける前に苗に、たっぷりの水を含ませておきます。
鉢底石をプランターの底が見えなくなるくらいまで入れ、野菜用養殖土を入れます。
土に苗が入るくらいのくぼみを作り、苗ポットごとひっくり返して土の中に入れます。苗が倒れないように土寄せし、軽く押さえます。
植え付け後はたっぷりと水をやります。
支柱を立てる
植え付けを終えたら、トマトが伸びてきても倒れないように支柱を立てましょう。
苗から5cmほど離したところに支柱をさし、支柱と苗の茎を麻紐で8の字になるように結んで誘引します。成長すると茎が多少太くなるため、ゆるめに結ぶのがポイントです。

水やり
トマトへの水やりは1日に1回、トマトが光合成を始める朝の早めの時間に行います。土の表面が乾燥していることを確認し、たっぷりと全体に水やりをしましょう。
量の目安は、プランターの底から水が流れ出す程度です。葉にはかからないよう、根元に与えていきます。
また、甘いトマトにするには水分を制御するのがコツだと言われています。夏も朝に1回の水やりで問題ありません。
フレッシュトマトで自家製トマトソースを作ろう

トマトの湯むきは手間がかかりますが、仕上がりの食感がなめらかになります。
時間があるときに作って冷凍しておけば、いつでも美味しいトマトソースが楽しめます。解凍するときは常温、電子レンジどちらでもOKです。
<材料>
トマト 4個
玉ねぎ 1/2個
ニンニク 1片
オリーブオイル 大さじ2
塩 小さじ1
砂糖 小さじ1
<作り方>
1. トマトに楊枝で数か所穴をあける(こうすることで湯むきがしやすくなる)
2. 湯を沸かし、トマトを入れる。
皮がめくれてきたら、水にさらして湯むきし、ヘタを取り除いてざく切りにする。
3. ニンニク、玉ねぎをみじん切りにする。
4. フライパンにオリーブオイル、ニンニク、玉ねぎを入れて加熱する。
5. 玉ねぎにうっすらと色がついてきたら、トマトを加える。
6. 全体がふつふつしてきたら中火にする。30分程煮込んだらトマトを潰し、塩と砂糖で味を整える。
サラダだけでなく、スープや炒め物、リゾットなど、幅広いアレンジができるのがトマトの魅力。一年中大活躍のトマトを使って、色んな料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。

