【column】ソファ周りがポイント!色のチカラを活かすコーディネート

2023.09.20 | インテリア

おしゃれなインテリア、憧れますよね。ショップやカタログのコーディネートを見るとテンションが上がるのに、実際やってみるとうまくいかない…そんなことはありませんか?インテリアの雰囲気を大きく左右するのは、実は「色づかい」。色づかいのルールを知れば、理想はグンと実現に近づきます。
色の基礎知識とインテリアへの応用について、国際カラーデザイン検定1級などの資格を持ち、インテリアのカラーコーディネートについても教える「色のプロ」平井芳香さんに、教えてもらいました。

2回目となる今回は、ずばり「配色」がテーマ。前回の記事でお部屋の「色あい」が決まったら、次はその色をどう組み合わせるかです。リビング家具のメイン「ソファ」を中心に、インテリアへの色の取り入れ方を学びましょう。

テーマカラーを決める

「好きな色こそが、テーマカラーにふさわしい色です」と平井さん。家族が望む家庭の姿や、理想とする雰囲気を表現できる色を選べたら、カラーコーディネートは半分完成したようなもの。家族の意見をすり合わせるのは簡単ではないかもしれませんが、妥協なくいきたいところです。もちろん、テーマカラーは、季節ごと、部屋ごとに変えても良いですね♪
参考までに、一般的に言われる「色の持つ意味」をご紹介します。ちなみに、それぞれの色に、白に近い淡い色あいから、黒がたっぷり含まれたダークな色あいまで、幅があります。

【赤】やる気や情熱、エネルギーを表します。食欲増進の効果があるので、キッチンやダイニングにぴったり。
【橙】ぬくもりがあり、居心地の良さを象徴する色。家族が集うリビングやダイニングにおすすめです。
【黄】明るさや希望、幸福をイメージさせる色。コミュニケーションを円滑にする効果があると言われます。
【緑】自然の癒し、優しさを感じさせる色。深呼吸したくなるような空間をつくり、やすらぎをもたらします。
【青】涼やかで落ち着きのある雰囲気をつくる色。気持ちを静める効果があり、部屋を広く見せてくれます。
【紫】神秘的、高貴で、クリエイティビティーを刺激する色。疲労回復の効果があるとされ、寝室に向きます。
【ピンク】愛らしさ、甘さを感じさせる色。女性ホルモンを活性化するともいわれますね。愛情を伝える色です。

スタイルとテーマカラーの関係

テーマカラーとスタイルの関係については、前回の内容を参照してください。ちょっとおさらいしますと、インテリアの色合いは、スタイルから「色あい」=カラーパレットを導き出すという順序で決めることができました。
例えば、フェミニンなスタイルで、「ピンク」をテーマカラーにしたとしましょう。

スタイルが「フェミニン」なので…こちらの表を見ていただくと、柔らかで優しい色あいでまとまっています。


カラーパレット:スウィート

このカラーパレットから選んだピンクが、この部屋のテーマカラーになっています。スタイルに合った色で家具や小物を選んで、狙い通りの雰囲気になっていますね。
では、選んだテーマカラーを軸に、お部屋で一番大きな面積を占める「ベースカラー」と、ポイントになる「アソートカラー」、視線を集める「アクセントカラー」を決めていきましょう。

配色のルールは70:25:5

ベースカラーは壁や床、天井など、部屋全体の70%を占める色のことを言います。
白を選ぶ方が多いと思いますが、白には「黄みを帯びたクリーム系」「グレイッシュでクールな白」などがあり、バリエーションが豊富な色でもあります。
スタイル=色あいに合った壁紙は、サンプルをよく見比べて選びましょう。わかりにくいときには、担当のインテリアコーディネーターなど専門家に相談してみても良いと思います。

次にソファやテーブルクロスなど、布物で取り入れたいアソートカラー。
部屋全体の25%の面積を占めるこの部分に、テーマカラーを使います。ソファやカーテンといった布物で取り入れることで、気分や季節によって模様替えを楽しめます。お部屋のスタイルに合った色あいから、春はピンク(赤)系、夏は青系…など、色を使った雰囲気の変化を楽しみましょう。

写真は、アソートカラーを青にチェンジすることで、冒頭のピンクでまとめたフェミニンなインテリアを、夏向けの仕様にしてみたものです。同じ色あい(カラーパレット)から色を選べば、雰囲気は崩れません。フェミニンさは保ったまま、ガラリと雰囲気を変えることができます。
ソファはカバーを使って色の模様替えを楽しむのがおすすめです。季節ごとに取り換えることで、汚れ対策としてもGOODですよ。

最後はアクセントカラー。全体の5%、つまり小物やオブジェなどに使う色です。ここはあえて色のトーンを外してみるのも一興。多色使いせず一色に絞ってお部屋の中に分散させてみましょう。全体の統一感が増し、メリハリのある引き締まった印象になります。平井さんは「照明やオブジェなどの小家具を買うかどうか迷ったときは、アクセントカラーとして使えるかを一つの判断基準にしてみると良いですよ」とアドバイスします。

写真のように、照明器具を黒で統一するのもおすすめです。ナチュラルやフェミニンなど柔らかなスタイルのお部屋に取り入れると、簡単に高級感や大人っぽさをプラスできます。

また、アクセントカラーは色のルールに縛られすぎないのもコツ。「好きだけど合わないよね…」と選択肢を狭めるのはもったいない!平井さんは「アクセントカラーで取り入れるアイテムは、自分の『好き』が最優先。小さな面積だからこそ、意外な色使いもうまくいくときがありますよ」と、アドバイスしていました。

取材ライターのつぶやき

インテリアの実例を見ながら、なぜそれがおしゃれに見えるのかがよく分かりました。
プロのコーディネートがステキなのは、感覚だけで選ばず、理論の裏付けがあるからこそ。自分の好きな色を選んだら、あとはそれを活かすために理論とテクニックを駆使するのが、賢いやり方なのですね。好きな色の魅力を最大限に引き出すコーディネートを身に着けて、私も、もっとお部屋作りを楽しみたいと思います。

 

今回のSpecialist 平井芳香 さん

「色で女性を1人残らず幸せにする」をテーマに、パーソナルカラー診断、色のお稽古コース、資格コースなどの色彩講座をカルチャーセンター、オンラインレッスン(一部の講座)にて開催。A・F・T色彩能力検定1級、国際カラーデザイン検定1級。認定NPO法人色彩生涯教育(CLE)協会インストラクター。


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