【column】いつもの味をバージョンアップ!ホームパーティー仕様の和食レシピ

2024.05.22 | インテリア

自慢のわが家をお披露目するホームパーティーを計画してみませんか。リラックスした雰囲気と心を込めたおもてなしで、日ごろなかなか伝えられない感謝の気持ちも伝えられたらすてきですよね。来客を意識することで、掃除を見落としていた箇所や、日常にも生かせる工夫に気づくこともあります。
自宅で料理教室を主宰し、テーブルコーディネーションディプロマの資格も持つ落合葉子さんに、ホームパーティーのイロハを教えてもらいました。

3回目は、カジュアルなテーブルコーディネートに合わせた和食をご紹介します。幅広い年代が集まる親族のパーティーを想定したメニューは、作りやすさと食べやすさを意識した、「うちラク」限定公開のレシピです。

レシピの基本的な考え方

親族や友人との気軽なホームパーティーなら、料理も「いつもの惣菜をちょっとグレードアップした」くらいがおすすめ。刺身や鶏の照り焼きなどスタンダードな献立に、柚子ジャムやかんずりの香りを添えて特別感を演出しましょう。
話に花が咲いて料理が冷めてしまっても大丈夫!というのもこのレシピのポイントです。お子様や年配の方を招く場合は、一人ずつのワンプレートまたは重箱のお弁当仕立てにしても喜ばれるはず。取り分けで互いに遠慮して残ってしまう心配もありません。ワンプレートの盛り付けは、こちらの記事(【column】ようこそわが家へ!お披露目の日のテーブルコーディネート)で写真を紹介しています。ぜひ参考にしてください。

カジュアル編レシピ

〈前菜2品〉

お刺身のかんずり和え

●材料
白身の刺身 100g
昆布茶 小さじ3/4
かんずり 小さじ3/4
酒 小さじ3/4

●作り方
〈下準備〉
薄造りにした刺身をバットに広げ、片面に昆布茶をふり、10分おく。 ボウルにかんずりを入れ、酒少々を加え、少しのばす。刺身を入れて全体を和え、器に盛る。

〈Point〉 買ってきた刺身に昆布茶をふってカンタン昆布じめに。パーティーが始まったら、お酒で伸ばしたかんずり(新潟名物の柚子胡椒のような調味料。「カルディ」などで買えます)と和えてテーブルへ。

だし巻き卵

●材料
卵 3個
だし 50㏄
砂糖 大さじ1
薄口醤油 小さじ1/2
サラダ油 適量

●作り方
1.ボウルに卵を入れ、よく溶きほぐす。出汁、砂糖、薄口醤油を入れてよく混ぜる。
2.サラダ油を熱した卵焼き器で、お玉1杯ずつ卵液をすくい入れ、巻いていく。

〈Point〉落合さんによると、家庭で失敗なく作れるだし巻き卵の分量は「卵3個にだし50cc」。熱々も、冷めても美味しい分量です。もし焼くときに失敗しても、巻きすでもう一度成型してリカバリーできます。 ※だしの作り方は下記「お吸い物」を参照してください

〈メイン〉鶏の柚子ジャム焼き

●材料
鶏もも肉 2枚
〈A〉
柚子ジャム1/2カップ ※ママレードでも代用可
醤油 1/2カップ

●作り方
〈下準備〉
鶏もも肉は余分な脂を取り除き、筋切りをして、皮に金串で穴をあける。 厚手のビニール袋にAを合わせ、鶏肉を入れて冷蔵庫で一晩漬けこむ。

1.オーブンを220℃に予熱し、天板にアルミホイルを敷いて網をのせ、鶏肉の皮を上にして200℃で約10分焼く。
2.粗熱を取り、食べやすい大きさに切る。

〈Point〉前日に合わせ調味料に漬けておいて、当日オーブンで焼くだけ。冷めても柔らかい。

〈サラダ〉浅漬け風サラダ

●材料
野菜450g(キャベツ/キュウリ/ニンジン/ミョウガ/ナス/小松菜/ショウガなど)
〈A〉
塩 小さじ1 1/2
酢 大さじ2
砂糖 大さじ1
昆布 5㎜角

●作り方
1.野菜を切る
・キャベツ…一口大にちぎる。
・キュウリ…縦半分に切り、種を取り除き、5㎜厚さの斜め切り。
・ニンジン…縦半分に切り、2~3㎜厚さの斜め切り。
・ミョウガ…縦半分に切り、斜め薄切り。さっと水にさらしてザルにあげ、水気を切る。
・ナス…半分に切り、5㎜厚さの半月切り。10分水にさらし、ザルにあげ、水気を切る。
・昆布…5㎜幅に切る。
2.厚手のビニール袋に野菜を入れ、Aを入れてしっかり揉む。空気を抜いて袋をしめ、冷蔵庫で半日以上おく。

〈Point〉野菜は切り方が肝心。残り野菜も、歯触りや香りが絶妙なおもてなし料理に変身します。前日から作り置きできます。

お吸い物

●材料
だし 600㏄
塩 小さじ1/2
薄口醤油 小さじ1
酒 小さじ1

麩 適量
三つ葉 適量

●作り方
〈下準備〉
麩は水に浸し、柔らかくなったら絞っておく。 三つ葉はざく切りに。

1.鍋にだしを沸し、酒、塩、薄口醤油を入れて、味を整える。お麩を入れ、三つ葉を入れる。

〈Point〉だしは、水1ℓに昆布5g+かつおぶし8gをだしパックに入れて浸します。3時間浸ければOK。

鯛飯

●材料
米 2合
鯛の切り身(焼いたもの) 1~2切れ

〈A〉
酒 大さじ2
醤油 小さじ2
塩 小さじ1/2
水 適量
三つ葉(ざく切り)

●作り方
・米…洗って15分きれいな水に浸し、ザルにあげて15分水切りする。
1.土鍋に米を入れ、Aを入れ一混ぜし、塩で味を調える。上に鯛を乗せ、普通に炊く。(鯛の塩が強いようなら、塩分は控えめにすること)
2.炊けたら、鯛は骨を上手に外して土鍋に戻し、全体をむらなく混ぜ、器に盛りつける。三つ葉をあしらう。

〈Point〉市販されている鯛の切り身の焼き魚を乗せて炊くだけの、カンタン鯛飯。ハレの日を象徴する一品を手軽に作れるよう考えてみました。土鍋で炊いて目の前でよそえば、よりご馳走感が出そうです(もちろん、炊飯器でも大丈夫!)。

〈デザート〉きなこ団子

●材料
白玉粉 100g
水 約100㏄

〈きなこ〉
きな粉 40g
砂糖  20~25g
黒砂糖 20g

●作り方
〈白玉団子〉
1.ボウルに白玉粉を入れ、2/3量の水を加える。白玉粉の粒をつぶすように、指先で水を混ぜ合わせる。ある程度粒がつぶれたら、手のひらでよくこねる。
2.残りの水を、手のひらに少しずつつけながら加える(多少粉っぽくても、水は一度にたくさん加えずに、こね続ける。水は全量使わなくてもよい)。
3.生地がひとかたまりの粘度のようになり、ボウルにも手にもつかなくなったら、こねあがった目安(耳たぶのかたさが目安。生地が耳たぶより柔らかい場合は、布巾を乗せてしばらくおくと、しまってくる)。
4.直径2㎝くらいに丸める。大きく丸めすぎると火のとおりが悪くなるので、注意する。
5.鍋にたっぷりの湯を沸かし、常に大きな気泡が立っている状態を保ちながら、白玉団子を入れる。団子が浮き上がってきたら弱火にし、常に小さな泡がたっている状態を保ちながら3分ほど茹で続ける。
6.鍋から団子を取り出し、水を入れたボウルに入れ、何度も水を変えながら芯までしっかり冷やす。
7.ザルにあげ、しっかり水気を切る。 〈仕上げ〉 器に団子を盛り、きなこをたっぷりかける。

〈Point〉身近な白玉団子も、今回の作り方でワンランク上の仕上がりに。ぜひレシピ通りにつくって、その違いを実感してください!

取材ライターのつぶやき

和食でおもてなしなんて難易度が高くて…と思う方にこそ、挑戦してほしいレシピです。私は「鶏の柚子ジャム焼き」を何度か作りましたが、よもや調味料がたった2つとは思えない味わい。冷めても柔らかいから、ごはんのおかずにお弁当にと、大活躍しています。虎の威を借りて「私の得意料理」としていつか本当にお客様に出したいと思います。
飾り切りや難しい工程を踏まなくても、きちんと美味しい和食ができあがる今回のレシピ、ぜひ普段の食卓にも生かしてみてください!

今回のSpecialist 落合葉子 さん

食環境プロデューサー木村ふみ氏に師事し、テーブルコーディネーションを学び、ディプロマを取得。市村美佳子氏に10年間師事し、フラワーアレンジメントを学ぶ。
料理研究家松田美智子氏に師事し、現代の家庭料理を学ぶ。
現在は自宅にて料理サロン「Coordinare」を主宰し、料理教室やテーブルコーディネートなど、経験とセンスを生かした独自のスタイルを提案している。


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