おもてなしの達人に聞く!ホームパーティーのコーディネートからレシピまで

2024.12.11 | インテリア

自慢のわが家をお披露目するホームパーティーを計画してみませんか。リラックスした雰囲気と心を込めたおもてなしで、日ごろなかなか伝えられない感謝の気持ちも伝えられたらすてきですよね。来客を意識することで、掃除を見落としていた箇所や、日常にも生かせる工夫に気づくこともあります。
自宅で料理教室を主宰し、テーブルコーディネーションディプロマの資格も持つ落合葉子さんに、ホームパーティーのイロハを教えてもらいました。

テーブルコーディネート

飾りすぎないシンプルなコーディネート

パーティーと言っても、あまり華美だとゲストがリラックスできないかもしれません。自宅ならではの安らぎを感じてもらうという意味でも、飾りすぎないシンプルなおもてなしは好感度が高いですよね。

アイテムは、基本的に手持ちのものを使いましょう。ワインクーラーなど使用頻度の低いものは、ボウルや花器で代用できます。テーブルクロスの代わりに色画用紙をランチョンマットにするのもGOOD。

テーブルコーディネート①~フォーマル編~

まずは、夜のディナーを想定したフォーマルなコーディネートから。お世話になった先輩や会社の上司を招いて、ちょっとかしこまったパーティーをするシチュエーションです。華美になりすぎず、色や質感で上質な雰囲気を演出しています。

白のディナー皿は、お持ちの方も多いと思います。もしこれからお求めの場合は、直径23~27cmを。使い勝手を考えると、27cmをよりおすすめします。

ナプキンは、本来なら正式な場合は白で、シンプルな折り方をします(複雑な折り方は、それだけ他人の手に触れるから不衛生といわれます)。お皿の上にナプキンが乗っていることで、おもてなしの雰囲気がぐっと高まりますね。ペーパーナプキンをお使いいただいてもOKです。

テーブルコーディネート②~カジュアル編~

次は、ご両親をお招きするシーンを想定したカジュアルコーディネート。気取らない、にぎやかなパーティーにぴったりです。

藍色の7寸皿の下に、黒八角の位置皿(着席位置を示すお皿)を敷いています。光沢のある黒が全体をキリっと引き締め、きちんと感もプラス。

スパークリングワインで乾杯する前提で、シャンパングラスを添えました。また、メニューが和食なので、お箸です。

花は、和菓子の老舗「鈴懸」の最中が入っていた竹のかごを再利用しました。自然な感じを出したいので、秋冬は実の付いた枝、春夏はみずみずしい葉を生かした植物をあしらいます。

フォーマルなテーブルコーディネートに合わせたレシピ

ホームパーティーでは、レストランのような料理に挑戦するより、日頃から作り慣れているメニューを器の力とテーブルコーディネートでおもてなし料理に変身させましょう。「家庭らしい料理を心がけた方が、気持ちが伝わると思います」と落合さん。

〈前菜〉ホタテとアボカドのマリネ

●材料
ホタテ 5個
アボカド 1個
オリーブ 8個
〈A〉
ねりワサビ 小さじ1
レモン汁 大さじ1
オリーブオイル 大さじ2
塩 小さじ1/4
コショウ 少々

●作り方
〈下準備〉
ホタテは塩を加えた熱湯で、さっと霜降りにする。表面が白くなったらすぐ取り出し、氷水に取る。1㎝角に切る。※冷凍ホタテを使う場合は、解凍してから霜降りに
アボカドは1㎝角に切る。
オリーブは半分に切る。

1.ボウルにAをよく混ぜ合わせ、ホタテ、アボカド、オリーブを加えて、さっくり混ぜる。

〈メイン〉鶏もも肉のキノコ焼き

●材料
鶏もも肉 2枚
生椎茸・しめじ・エリンギ 各100g
玉ネギ 1/2個
オリーブオイル 大さじ1
バター 10g
サラダ油 適宜
パン粉 適宜
パセリ(みじん切り)

●作り方
〈下準備〉
鶏肉は余分な脂を取り除き、筋切りをする。半分に切り、5cm角位に切る。焼く直前に、塩、胡椒をふる。
椎茸は7~8mmの厚さに切る。
しめじは石づきをとり、ほぐす。
エリンギはしめじの大きさに切りそろえる。
玉ネギは薄切り。

オーブンを220度に予熱しておく。

1.フライパンを熱し、サラダ油で、玉ネギをしんなりするまで炒めておく。
2.1を取り出し、サッと拭いたフライパンに、サラダ油を熱し、塩、胡椒をふった鶏肉を入れ、表面をこんがり焼き、オーブン皿に並べる。
3.2のフライパンにオリーブオイルを足し、キノコ類をさっと炒め、少し強めに塩、胡椒をふる。
4.2の鶏肉に炒めた玉ネギとキノコをのせ、上からパン粉を薄くかける。所々にバターを小豆大にちぎって置き、200℃のオーブンで約15分、こんがりとパン粉が色づくまで焼く。

カジュアルなテーブルコーディネートに合わせた和食レシピ

親族や友人との気軽なホームパーティーなら、料理も「いつもの惣菜をちょっとグレードアップした」くらいがおすすめ。
話に花が咲いて料理が冷めてしまっても大丈夫!というのもこのレシピのポイントです。お子様や年配の方を招く場合は、一人ずつのワンプレートまたは重箱のお弁当仕立てにしても喜ばれるはず。取り分けで互いに遠慮して残ってしまう心配もありません。

〈前菜〉お刺身のかんずり和え

●材料
白身の刺身 100g
昆布茶 小さじ3/4
かんずり 小さじ3/4
酒 小さじ3/4

●作り方
〈下準備〉
薄造りにした刺身をバットに広げ、片面に昆布茶をふり、10分おく。 ボウルにかんずりを入れ、酒少々を加え、少しのばす。刺身を入れて全体を和え、器に盛る。

〈メイン〉鶏の柚子ジャム焼き

●材料
鶏もも肉 2枚
〈A〉
柚子ジャム1/2カップ ※ママレードでも代用可
醤油 1/2カップ

●作り方
〈下準備〉
鶏もも肉は余分な脂を取り除き、筋切りをして、皮に金串で穴をあける。 厚手のビニール袋にAを合わせ、鶏肉を入れて冷蔵庫で一晩漬けこむ。

1.オーブンを220℃に予熱し、天板にアルミホイルを敷いて網をのせ、鶏肉の皮を上にして200℃で約10分焼く。
2.粗熱を取り、食べやすい大きさに切る。

自宅でのおもてなしにおすすめアイテムとは?

落合さんが長年の経験から編み出した、自宅でのおもてなしに便利な厳選アイテムを紹介します。シンプルでいて上品なセレクトは、落合さんならでは。ゲストに「これ、どこの?」と聞かれることも多いそうですよ。

●おしぼり

コロナ禍になり、おしぼりを使い捨てのものに変えたという落合さん。メーカーによって使用感に差があることが分かり、探し求めて出会ったのが「エフティ・ライフサービス(株)」の「除菌おしぼり」(300個入り6,600円)。「新幹線のグリーン車で出てくるような、厚手でしっかりした感触が気に入っています」。

●スリッパ

「これは実際に悩んでいる方、多いですよね」と落合さん。確かに、ブランドロゴが目立ったり、趣味に合わない柄だったりと、なかなか「これ!」というものに出合えないアイテムかもしれません。

家の「顔」玄関のしつらえ

玄関には、通年で絵と花を飾ることが多いという落合さん。夏だけは花のもちが悪いため、オブジェなどを置いています。
生花は手入れの必要があるため、リースやスワッグといった天然素材の雑貨を飾るのもおすすめだそう。ゲストを出迎える場面に、植物の穏やかな雰囲気をプラスしましょう。

季節を伝える布のアレンジ

年中来客の絶えない落合さん宅。季節感を表現するには、洗い替えもできる布アイテムを活用しています。おすすめは、価格も手ごろなクッションカバー。「夏は麻素材、秋冬はベロアで数色を取り揃えて、楽しみます。ラグも同じですね」。

インテリアのこだわった部分は「なんとなく光っているような気がします」との言葉通り、家主のセンスが垣間見える箇所は目を引くもの。落合さん宅も、あれもこれもと飾り立てず、玄関、廊下、リビングと、角を曲がるごとに一か所「すてき!」と思わせるこだわりがちりばめられていました。
生活の場所でもある自宅でのホームパーティーは、日常と地続き。普段から生活を楽しんでいることが伝わるインテリアにこそ、ゲストは心惹かれるのでしょう。

 

今回のSpecialist 落合葉子 さん

食環境プロデューサー木村ふみ氏に師事し、テーブルコーディネーションを学び、ディプロマを取得。市村美佳子氏に10年間師事し、フラワーアレンジメントを学ぶ。
料理研究家松田美智子氏に師事し、現代の家庭料理を学ぶ。
現在は自宅にて料理サロン「Coordinare」を主宰し、料理教室やテーブルコーディネートなど、経験とセンスを生かした独自のスタイルを提案している。


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