【column】体と栄養|スーパーやコンビニで昼食を選ぶなら

2025.06.18 | 健康・ペット

忙しい毎日の中で、食事を全て用意するのは大変。特に昼食は、コンビニやスーパーのお弁当などを利用している人も多いのではないでしょうか。
そこで、食育インストラクターであり、料理教室を主宰する「R.Kitchen」の斉藤吏予子さんに、商品の選び方について教えてもらいました。ポイントになるのは、近年再注目されているタンパク質。食事をきちんと取りながら、健康的な体型を目指しましょう♪

主食と主菜、副菜についておさらい

日本の家庭料理で基本となるのは、主食と主菜、副菜。和洋中、さまざまな料理がありますが、基本的にはこの3つを揃えることで栄養バランスは良くなります。

「コンビニやスーパーでお弁当を買ったり、外食をしたりする時も、ラーメンや丼のように一品だけのメニューを選ぶのは避けた方が良いですね。麺類やごはんを中心としたメニューでは、肉や野菜は少量添えられているだけだったりします」と斉藤さん。

一般的に、現代の食生活では炭水化物や脂肪の摂取量が多く、タンパク質は不足しがちだといわれています。意識して主菜を取り、タンパク質をしっかり摂取しましょう。

正解は、焼鮭弁当。主食と主菜、副菜が入っている方が栄養バランスは◎。

体にとって重要なタンパク質、一日に必要な量は?

タンパク質は、筋肉や内臓、皮膚、骨といった体の組織を作る材料となります。重要なエネルギー源でもあり、体の機能を調節する上でも欠かせない栄養素です。
「タンパク質の推奨量は、成人男性は1日65g、成人女性は1日50g。高齢になって食が細くなっても、体が必要とする量はほぼ変わりません」

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」より抜粋

タンパク質が足りない状態が続くと、筋肉量や基礎代謝が減って脂肪燃焼の効果が低下します。
「50gのタンパク質は、食物でいえば鶏むね肉なら約1枚分。ゆで卵なら約6個分に換算できます。3食を食べていれば、自然に取り入れられる量だと思います」と、斉藤さん。
タンパク質を摂取すると体内に食欲を抑制する物質が放出されるため、間食や甘い飲み物を控えたい人にも効果があるそうです。

「10代の育ちざかり世代は、タンパク質の推奨量が成人以上に多くなります。外で食事をとる場合にも、ダイエットのために食事を抜かず、きちんと肉や魚を食べるように促してあげたいですね」。

どんなものを選べばいいか、クイズでチェック

正解は、メインとなる肉や魚のおかず、またはメインのおかずが入った弁当。
まず、メインとなる肉や魚で良質なタンパク質を確保して、その後にサラダなど足りない栄養を補う順番がオススメです。

良質なタンパク質とは、人間が体内で合成できない必須アミノ酸9種類をバランスよく含んだもの。小麦などにもアミノ酸は含まれていますが、卵や肉、魚などの方が必須アミノ酸を多く含んでいます。

食欲がない時には、あっさりしたメインをプラス

正解は、そうめんとサラダチキン。
ヨーグルトだけでは必要なタンパク質量が足りず、すぐに消化されてしまうため、結局午後にお腹が空いてしまう可能性が高くなります。あっさりしたサラダチキンや、ゆで卵でタンパク質を摂取する方が、必要な栄養を満たすことができます。

「一食全てを買う場合も、メインのおかずだけ買う場合も、ダイエットを意識するなら、食事量を減らすのではなく、タンパク質など必要な栄養を十分に取ることが大事です。例えば、焼肉を食べた後に口寂しさを感じることは少ないですよね。胃袋がいっぱいにするのではなく、体に必要な栄養素を取る食事を意識していく方が良いと思います」。
タンパク質を含む食べ物は、脂質も多いもの。「夜は、肉より魚のメインを選ぶ」「脂質の多いウインナーより、ゆで卵を選ぶ」など、小さな違いを意識することも大事ですね。

取材ライターのつぶやき

お昼は外で買うことが多いのですが、目からウロコが落ちるようなことばかり。取材中「コンビニやスーパーに行くと、つい栄養面よりも『食べたいもの』を買ってしまうんですよね」と言われたことが印象に残りました。タンパク質を取ることを意識して、商品の選び方を変えてみたいと思います。

 

今回のSpecialist 斉藤 吏予子(さいとう りよこ) さん

家庭料理の教室「R.kitchen」主宰。電子レンジや圧力鍋などを活用した料理レッスンや、働く人に向けた栄養指導、セミナー、メディア出演など幅広く活動。
野菜コーディネーター(ホールフード協会主催)、NPO日本食育インストラクター、Wonder chef公式アンバサダー。


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