夢がいっぱい詰まったマイホーム。できるだけ長く、快適に住み続けるためには何をしたら良いのでしょうか。
そこで、店舗や住宅などのインテリア設計・施工、リノベーションを手掛ける一級建築士の古森 健一さんに住まいのメンテナンスについて教えてもらいました。
第2回目は、窓、建具、サッシなど「開口部のメンテナンス編」です♪
窓や建具、サッシを長持ちさせる方法は?

窓や玄関ドア、サッシなどの外部と接する部分は、防犯や安全面にも大きく関わる場所。室内にあるドアや引き戸も、スムーズに動く状態にしておきたいものです。
「第1回でもお話したように、開閉や上下など動く部分は故障しやすくなります。窓やドアの場合も同様で、力を加えて移動する部分は壊れやすいといえると思います」と古森さん。
窓やドアのように決まった動きをする建具は、まず埃や砂、水分を取り除く掃除をして、日常的にメンテナンスを行うことが大切です。窓ガラス清掃などについては、マンション全体で業者による清掃が入る場合もあるので、無理や危険のない範囲で進めてくださいね。
窓やサッシ、ドアはこんな場所に不具合が出る

「第1回目でもお話した通り、ドアのカギや蝶番、サッシのクレセント錠など日常的に動かす場所は壊れやすいものです。アコーディオンタイプの日よけやブラインドのように、複雑な仕組みを糸やひもなどで動かすものも壊れやすい傾向があります」。

では、破損や故障を見つけた時には、どうすればいいのでしょうか。
「簡単なDIYで対処できる場合もあります。例えば、玄関のカギ部分に違和感がある場合は、市販されている鍵穴専用の洗浄剤を使ってもいいと思います。ただ、窓やドアの修理には脚立に上る作業や特殊な道具が必要になる場合もあるので、無理せずプロに相談するのも良いと思います」と古森さん。
もし困ったら、取扱説明書をチェック

窓や網戸、サッシなどは、品番やメーカーなどがなかなかわかりにくいもの。困ったときは、入居時に渡されている住宅設備の取扱説明書から、メーカーの連絡先や修理対応窓口などを調べることができます。製品の材質や構造、困ったときのQ&Aなど詳しく書かれている場合もあるので、簡単なトラブルはここで解決できることもあります。
「ガラス窓からの紫外線や結露、熱が気になるといった理由で、ガラスフィルムを検討する方もいますが、ガラスの種類と適合しないフィルムを貼ると熱割れする場合もあります。マンションによっては、UVカット機能のあるガラスを使われていることもありますので、まず自宅に使われているガラスについて調べてみるといいと思います」
自宅のことを相談できる人をみつけよう
インターネットを通して、さまざまなプロのノウハウが公開されている時代。住まいに関心を持ち、日曜大工でメンテナンスをする人も増えています。プロに頼むか、自分で修理するかは各家庭の状況によるところも大きいようです。
「ひとつの考え方ですが、住まいを長持ちさせるためには、専門家に定期的に見てもらうことも大切だと思っています。例えば、『家のことなら、この人に』と気軽に相談できるような存在をつくることも、安心して住み続けられる秘訣ではないでしょうか。住まいに関わる職人はかなり細かく担当範囲が分かれているため、住宅を購入した工務店や住宅メーカー、建築士とつながって総合的に見てもらうことが理想的です。まず小さな修理や工事などを頼んで対応を見ておけば、いざという時に助かると思います」。
取材ライターのつぶやき
取材でお話を伺ううちに、私もいかに小さな不具合に目をつぶって暮らしているかに気づきました。今まで最も困ったのは、外出から帰宅した時に突然玄関のカギが回らなくなっていたことです。出張修理の方に来てもらい、かなり高額な出費となりました。
何か違和感があったら、早めに対処することが大切ですね!
今回のSpecialist 古森 健一(ふるもり けんいち) さん

一級建築士として、店舗や住宅のインテリアデザインやリノベーション、施工工事を手がける。
株式会社 インテリア フルモリ 代表取締役
株式会社 インテリア フルモリホームページhttps://furumori.co.jp/


