【column】住まいのメンテナンス|水回りのお掃除-浴室編

2025.01.15 | 住まいのメンテナンス

マイホームに長く住み続けるためには、日常のお掃除も大切。でも、忙しい毎日の中でつい後回しになってしまうこともありますよね。
そこで、ハウスクリーニングのプロである「おそうじ革命」の園田真司さんに、気になる水回りや窓、玄関などのお掃除について教えてもらいました。日常的にしておきたいお掃除と、大掃除など時間がある時にしておきたいことの両方を知って、我が家をキレイにしましょう!
第1回目は「水回りのお掃除-浴室編」です♪

これを使えば落とせる! 汚れと洗剤の関係

掃除をする時には、まず汚れにあった洗剤を選ぶことが大切です。
園田さんに汚れと洗剤の関係について聞いてみました。
「酸性、中性、アルカリ性などpHを表す言葉を学校で習ったことがあると思います。家の中にある汚れは、このpHに合わせた洗剤を選ぶと落としやすくなります」

汚れが持つ反対の性質を持つ洗剤を使うことで落としやすくなります。例えば、人間の皮脂は酸性の汚れなので、弱アルカリ性・アルカリ性の洗剤を使うことがお掃除には有効です。
また、洗剤には汚れを取り除く界面活性剤という成分が含まれている製品もあります。
「中性洗剤は主に界面活性剤の作用で汚れを取り除きます。中性洗剤は肌や素材を痛めにくく、どんな汚れにも使えるため、日常の掃除におすすめです」
市販されている洗剤にも、酸性、アルカリ性、中性などの記載がされています。汚れの種類や用途に合った洗剤を使い分けていきましょう♪

浴室は、換気と湿気を取り除くことから

「お風呂用洗剤は、皮脂汚れを落とす弱アルカリ性の洗剤や中性洗剤が多いと思います。毎日の掃除では、浴槽や床などをお風呂用の洗剤で洗って、使用後はできるだけ水気をとっておくといいと思います。髪の毛やゴミはそのまま排水口に流さない方がいいので、髪の毛やゴミ用のフィルターを活用する方がいいですね」と園田さん。

浴室は湯気やお湯で温度が保たれ、湿気が溜まりやすい場所。
入浴後に、体用のタオルで浴槽や壁をざっと拭くと湿気が抑えられるそう。スクイジーなどで水滴を落としておくのも良いそうです。
蛇口や鏡にもやもやと残る白っぽい汚れは、水道水に含まれるカルシウムなどが固まった水アカ。ウロコ状に固まってしまうとプロの技術でも取れなくなることがあります。メラミンスポンジや硬いスポンジでこすっても、素材が傷ついてしまうそうです。

「鏡の前に立ったままシャワーを浴びない」「椅子に座って体や髪を洗う」など、汚れる範囲を狭くする工夫もできそうですね。

徹底的に掃除をするなら、水アカ汚れに注目!

「年に1度大掃除するなら、普段は見落としがちな壁や床をこすり洗いしてみてはどうでしょう。カビ取り用の洗剤を薄めて使うのがおすすめです」と園田さん。
鏡や小物用の棚、お風呂の蓋などを、いつもの中性洗剤で洗うだけでもかなりキレイになるそうです。
毎日水気を拭きとっていても、バスタブと床の境目や壁の下側など、水分が溜まりやすい部分には水アカがついてしまいます。 
「水アカは早めに中性洗剤で掃除をすればすぐに取れるものですが、皮脂や泥などの汚れと結びついて、浴槽の蓋やドア部分に茶色く残っていることもあります。取れにくい水アカ汚れには、トイレ用の酸性洗剤を少量使うといいですよ」

トイレ用の酸性洗剤(サンポールなど)を使った水アカ落とし

〈注意点〉
・必ず手袋を着用すること
・換気しながら掃除すること
・長時間つけ置きしないこと
・塩素系洗剤と併用しないこと

〈用意するもの〉
・トイレ用の酸性洗剤(サンポールなど)
・樹脂製のカード、掃除用へらなど
・水で濡らしたタオル

〈掃除対象〉
お風呂の蓋、ドア、ドア枠などの樹脂製品

(1)酸性洗剤は素材を痛めやすいため、数滴かけて汚れをふやかす。泡が出てきたら、汚れが浮いてきたサイン。
(2)カードの縁や掃除用へらなどを使ってこすり落とす。まだ汚れが残っている場合は、周囲に注意しながらごく少量の洗剤を足す。
(3)汚れが落ちたら、濡れたタオルを使ってよく拭きとる。

蛇口や人工大理石などの素材は酸性洗剤の跡が付きやすいため、間違ってこぼした場合はすぐに水で濡らしたタオルで拭きとりましょう。

気になる換気扇やエプロン、自分で掃除はできる?

浴室には暖房や乾燥設備が備え付けられていることも多く、換気扇も意外にホコリなどで汚れている場合が多いそうです。
「ハウスクリーニングする場合は換気扇を取り外して清掃します。取り外しが難しい場合はスイッチを切った状態で蓋を開け、掃除用の細いブラシでホコリを落とすだけでも効果があります」と園田さん。湿気などで内部にカビが生えている場合もあるので、忘れずに掃除をしましょう。

ユニット浴槽の外側を覆う部分(エプロン)も、「中にカビが生えているのではないか」と清掃を依頼される方が多いそう。「エプロンは自分で取り外しができますが、戻せないかもしれないと思う方はプロに依頼するのもいいと思います。また、浴槽によっては、内部に水が入り込まない構造になっているため、お掃除が不要な場合もあります」
どちらかわからない場合は、取扱説明書に書いてあることもあるので、一度確認してみてくださいね。

取材ライターのつぶやき

我が家の浴室入り口にも茶色い汚れがあるのですが、お風呂用洗剤でもカビ取り洗剤でも取れずに困っていました。どうやら水アカらしいとわかったので、早速お掃除にチャレンジしたいと思います!

今回のSpecialist 園田 真司(そのだ しんじ) さん

丁寧な説明と作業をモットーに、個人宅のキッチンや浴室清掃、エアコンクリーニング、レンジフードクリーニングなどを行う。おそうじ革命 福岡中央清川店店長。


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