ペットと暮らす住まいの工夫|小動物・小鳥の安全を守る

2026.07.15 | 健康・ペット

ウサギやハムスターなどの小動物、インコやオウムなどの鳥類もよく人に慣れ、ペットとして人気があります。体が小さく飼いやすい側面もありますが、体が小さいからこそ気をつけるべきポイントも。そこで、公益社団法人日本愛玩動物協会の竹田千寿さんに、小さな命と暮らすために心がけておくべきことをお聞きしました。

参考資料:『飼い主のマナーハンドブック』『ペット共生マンションの適正化推進ガイドライン』(ともに公益社団法人日本愛玩動物協会発行)

小動物・小鳥の安全を守る

小さなペットをケージから出して室内で遊ばせる時間は、飼い主にとって楽しいひとときです。ペットたちにとっても、広い空間に出してもらうことでストレス解消になります。
しかし室内には危険なものもあるため、静かにひとり遊びしているからと油断していると、事故につながることがあります。ここからは、特に気をつけるべきポイントと事故を防ぐ対策を解説していきます。

かじり癖

ウサギやハムスターのように物をかじる習性がある動物は、電気コードや家具、柱などをかじってしまうことがあります。
小鳥も、かじることが大好きです。なかでもコザクラインコは、好奇心旺盛でかむ力も強いため、げっ歯目(げっしもく)同様に注意する必要があります。

電気コード

特にウサギやインコは、細長いものを好んでかじる習性があります。ペットが電気コードの被膜をかじって中の導線にふれると、感電して呼吸困難やショック状態を引き起こす可能性があり、とても危険です。被膜や金属片を飲み込んでしまうと、内臓を損傷するおそれもあります。
ハムスターは、体は小さくてもかむ力は強いです。小さいぶん感電のダメージも大きく、命に直結します。
場合によっては、ショートして発火する危険性もあるため、かじらせないように対策を講じましょう。

対策
電気コードを保護チューブなどでカバーしてください。配線を家具の裏へ回して、ペットの目のふれないようにすることも対策になりますが、ハムスターなどは体が小さいので家具の裏に入り込んでかむ可能性があります。
一度かじった場所を覚えて、繰り返しかむこともありますので、配線をケーブルボックスに収納したり、その場所に入れないよう柵をしたりして、かじられるのを防ぎましょう。

柱・家具

ウサギは、木製のものを好んでかじりたがります。角の部分をかじるため、木の柱、イスやテーブルの脚などは要注意です。

対策
柱の角や家具の脚にカーペットを巻いたり、L字型の金具を取りつけたりして、かじられてもダメージがないようにしましょう。かじり棒やおもちゃなど、かじってよいものを与えてあげてください。
とはいえ、おもちゃがあるから家具をかじらなくなるわけではありません。気に入ったものに執着してかじる場合も多いため、対策は必須です。

<竹田さんチェック!>
人の食べ物や飲み物は、ペットにとって危険なものもあるので、ケージから出す前に部屋を片づけて誤飲誤食を防ぎましょう。

隙間への侵入

ハムスターやフェレットは、家具の裏や家電の下など狭い隙間に入り込み、なかなか出てこないことがよくあります。
特にハムスターは体が小さいため、隙間に入ってしまうとどこに行ったかわからなくなることも。外へ逃げる心配がないからと目を離していると、コードをかじったり、出てきているのに気づかず踏んでしまったり、思わぬ事故につながります。

対策
家中を自由に遊ばせるのではなく、1つの部屋に限定して遊ばせたほうが安全です。家具の下などの隙間はふさぎ、ペットが行方不明にならないようにしましょう。
ペットを部屋に放しているときは、家族とも情報共有して、突然ドアを開けたり、誤って踏んだりしないよう気をつけてください。

<竹田さんチェック!>
人の手が届かないような隙間に入ってしまい、出られなくなってしまうことも。ケージから出しているときは、ペットから目を離さないようにしましょう。

逸走

小鳥をカゴから出して部屋の中を自由に飛び回らせる「放鳥」で、いちばん気をつけなければならないのは、窓やドアからの飛び出しです。
外に出て迷い鳥になってしまうと、見つかる可能性は極めて低くなります。

対策
放鳥するときは、ドアや窓を完全に閉めましょう。網戸をかじって破ったり、透明な窓ガラスに気づかずぶつかったりすることもあるので、窓を閉めたうえでカーテンも引いてあげたほうが安心です。

<竹田さんチェック!>
放鳥中は、クッションの下や床にいる鳥をうっかり踏んでしまうという事故も起こりやすいので、注意しましょう。

マンションで飼うなら“騒音”対策を

特にマンションでは、小動物や小鳥の飼育でも“騒音”には気をつけたほうがいいでしょう。ペットの種類別で気をつけるべきポイントを紹介します。

ウサギ

ケージをかじって音が響くときは、周りをアクリル板で覆うなどの対策を考えましょう。

対策
後ろ足を揃えて床に叩きつけて音を出す「スタンピング」は、仲間に警戒を知らせるための習性なので、やめさせることはできません。よってやめさせるのではなく、防音マットやカーペットなどを敷き、騒音対策をしましょう。

ハムスター

ハムスターは夜行性のため、夜になると動きが活発になります。回し車がガタついていると、勢いよく回したときに大きな音が出たり、ケージをガリガリとかむ音が想像以上に響いたりする可能性も。
日中なら気にならない程度の音や振動でも、夜中には大きく聞こえることがあり、飼い主の睡眠にも悪影響を及ぼしかねません。
回し車はこまめに点検して定期的に新調する、夜間はケージに布をかけたり、アクリル板で覆ったりするなど、できる範囲で対策をしてください。

フェレット

ケージをかんで大きな音を出す場合は、プラスチック製のものなど音がしないものに替えてみましょう。
「ケージから出してほしい」「ごはん」などのアピールで、ケージをかむこともあります。そのつど要求に応えていると、「こうすればかなう」と覚えてしまい、好ましくない行動を助長させることにつながります。
動物病院などに相談して、かじる行動の原因を探るようにしてください。

小鳥

鳥のなかでもコザクラインコやオウムは、甲高い大きな声を上げてよく鳴くので、近所迷惑になる可能性があります。
小鳥であっても、集合住宅では共用部分であるベランダでの飼育は認められていないため、日光浴をさせるときも長時間ベランダに放置するのはよくありません。小鳥の様子を見ながら、鳴き声には気を配りましょう。

<竹田さんチェック!>
病気治療のためだけでなく、飼育のアドバイスももらえるため、ペットが健康なうちからかかりつけ医を見つけておきましょう。小動物や小鳥は、診てもらえる動物病院が少ないので、ペットショップに相談するなどして頼れる専門家を探してみてください。

<POINT>
小動物や小鳥の種類によって、気をつけるべきポイントはそれぞれ。体が小さいからこそ、ささいなことが事故につながります。部屋に放すときは、事故防止の対策を施していても、目を離さないようにしましょう。

取材ライターのつぶやき

ペットが電気コードをかじって火事にでもなったら、それはペットのせいではなく飼い主の責任です。小動物や小鳥は、犬や猫に比べると体が小さくて飼育のハードルも低いですが、事故防止には十分気をつける必要があると感じました。

取材協力/公益社団法人 日本愛玩動物協会

 

今回のSpecialist 公益社団法人日本愛玩動物協会 事業部 課長 竹田 千寿 さん

公益社団法人日本愛玩動物協会は、設立48年を迎えた公益法人。設立当初から、動物の正しい飼い方の普及啓発活動を行っています。また、正しい知識の普及啓発のために、「愛玩動物飼養管理士」や「ペット共生住宅管理士」、「ペットオーナー検定」などの教育事業などを行っています。


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