ペットと暮らす住まいの工夫|災害への備えと心構え

2026.07.22 | 健康・ペット

近年、災害が増えていると感じませんか? 最終回は、災害への備えがテーマ。いざという場面でも慌てずにすむよう、いまできることを進めておきましょう。今回も、公益社団法人日本愛玩動物協会の竹田千寿さんに教えていただきます。

参考資料:『飼い主のマナーハンドブック』『人と動物の防災を考えよう』(ともに公益社団法人日本愛玩動物協会発行)

災害への備えと心構え

地震や風水害などの災害が頻発する現代では、いつ、どこで被災するかわかりません。被災しても、少なくとも1週間は暮らせるように、以下のリストを参考に避難生活の準備を進めておきましょう。

<ペットのために準備しておきたいものの一例>

□ペットフード7日分(療法食が必要なら1か月分)

災害時はいつものフードが手に入らない可能性があります。フードや消耗品は、十分な量をストックするよう心がけておきましょう。万が一に備えて、食べられるフードは数種類あったほうが安心。普段手づくり食を与えている場合は、ドライフードに慣らしておくことも重要です。
□持病の薬
□首輪、ハーネス、リード
□キャリーバッグなど
□水
□大好物のおやつ
□健康記録
既往症や持病薬の種類、かかりつけの動物病院の連絡先、ワクチン接種状況など、健康状態がわかる記録を用意しておくと、一時的にペットを預けるときでも安心です。
□写真
もしも飼い主さんと離れ離れになったとき、ペットの特徴がわかるものや一緒に写った写真があると探しやすく、飼い主である証明にもなります。
□ペットシーツや猫用トイレ砂
※ほかにもペットの健康や年齢などを考慮した準備が必要です。

<竹田さんチェック!>
ペットフードやおやつなどペットのために準備するものは少し多めに買い置きしておき、古いものから消費して、消費した分を買い足す「ローリングストック」法での備蓄をおすすめします。こうすることで、つねに一定量が備蓄されるので安心です。



また、万が一ペットとはぐれてしまったときのためにも、ペットにマイクロチップや迷子札の装着をしておきましょう

<POINT>
災害で流通が乱れた場合、フードの入手は困難になります。特に犬や猫以外のペットフードや療法食などは、さらに入手が困難になりますので、それも踏まえて、多めに備蓄しておくなどの準備を進めましょう。

災害別 減災のヒント

災害によって、安全の守り方が異なります。避難が必要となった場合は、ペットと一緒に動くことになりますが、同行が難しいときは、先に飼い主が避難し、安全が確認されてからペットを避難させます。

地震
自分の安全を守ったうえで、テーブルの下などでペットと安全を確保します。余震の可能性もあるので、ガスの元栓を閉め、停電しているのであればブレーカーもオフにして、通電した場合のトラブルに備えます。

地震に伴う災害
建物の倒壊や火災などで避難をするときは、可能な限りペットと同行避難します。自宅が立ち入り禁止区域に指定されると、解除されるまで戻ることができません。

台風
進路予測をもとに、早めの対応をとりましょう。ペットの散歩はやめて室内で過ごし、風雨に備えてください。大きな被害が予想されるときは、早めの避難も考えておくことが肝心です。

水害
近年、集中豪雨による被害が増加しています。情報をこまめにチェックし、洪水や浸水、土石流やガケ崩れなど土砂災害の危険があれば、避難が困難になる前に、ペットと同行避難しましょう。

噴火
噴火に伴う地震、溶岩流、火砕流、火山灰など、関連災害も発生するため、被害が広域におよぶことも。避難の必要がなくても、火山灰が降っているのであれば、ペットの散歩は控えます。もし火山灰がペットの体についたら、ブラッシングやシャンプーでできる限り落としてください。

<竹田さんチェック!>
飼い主の外出時に災害が起きたら自宅にいるペットをどうするか、ご家族の方とも話し合っておきましょう。

<POINT>
ペットと一緒に逃げる「同行避難」を前提に準備を進めておくことが重要です。

ペット別 避難を想定した準備のススメ

避難所など多くの人が集まる場所では、ほかの人や動物と接することになります。ストレスフルな状況のなかでもできる限り周囲とのトラブルを避け、おだやかに過ごすために、普段から心がけておくべきことを紹介します。


普段から、飼い主以外の人やほかの犬に慣れさせておくことが大切です。キャリーバッグに入るトレーニング(クレートトレーニング)も重要。普段からキャリーバッグの中で眠るような習慣をつけておくと、キャリーバッグを安心できる場所であると認識して、見知らぬ場所でも落ち着いて過ごしやすくなります。


首輪やリード、ハーネスに慣らしておきましょう。猫は驚くと隠れてしまうため、避難をするときにつかまえられないことがあります。そうした状況を避けるため、キャリーバッグをつねにリビングなどに置いておき、そこで眠る習慣をつけておくとベスト。怖いと思ったときもキャリーバッグに入ってくれます。呼び戻しができると、なお安心です。

小動物
被災時、犬・猫以外のフードは支給されないことを前提に、備蓄しておきましょう。キャリーバッグに慣らしておくことも重要です。


鳥の健康維持に保温は欠かせないため、保温手段の確保は忘れないように。もちろん、フードの備蓄も重要です。鳴き声が大きな大型の鳥は、避難所に入れてもらえないこともあるので、預け先も探しておきましょう。

は虫類・両生類
温湿度管理が必要な場合や水棲生物は、ライフラインが遮断された想定の上で対策を行いましょう。


水槽が破損したり、落下したりすることがないよう、置き場所には十分配慮してください。飼い主が避難するときは、エアポンプやヒーターの電源やブレーカーをオフにして、漏電や火災の原因にならないようにします。

<竹田さんチェック!>
避難先では、ペットは専用のスペースでケージなどに入って過ごすケースが多いです。飼い主から離れて過ごすことに慣れていないと、それだけで大きなストレスになってしまいます。また、ストレスによって吠え続けたり、大きな鳴き声を出したりすると、避難所での生活が難しくなる可能性も。



能登半島地震では、キャリーバッグに入ったりケージなどで過ごすことができない犬や猫が多く、避難所で苦慮したケースも多かったそうです。
日頃から、飼い主以外の人やさまざまな動物、場所、物に慣れさせるしつけを行っておくことが大切です。

<POINT>
ペットの命を守るために、最低限のしつけは重要。必要に応じて専門家の力も借りながら、日常的にトレーニングしておきましょう。

あなたの地域はペットと避難できる?

地域の防災計画やペットと避難できる場所があるか、また、その場合のルールや条件など、平時からお住まいのエリアの情報を集めておきましょう。
ハザードマップで災害リスクを確認しておくことも必要です。家の耐震性が高く水害リスクが低い場所であれば、避難所に行くより自宅避難のほうが安全なこともあります。以下のURLから、お住まいの地域のハザードマップを確認してみてください。

\お住まいのエリアの災害リスクをチェック/
ハザードマップポータルサイト(国土交通省・外部リンク)

<竹田さんチェック!>
実際に人用・ペット用の避難グッズを持ち、さらにペットを連れた状態で、避難所が開設される場所まで避難訓練をしてみましょう。避難所までのルートの確認だけでなく、用意したグッズを持って移動することができるかどうかの確認にもなります。また、いざというときに備え、ペットの預け先を探しておくと安心です。

<POINT>
準備や対策を進めるためにも、情報は早めに集めておきましょう。

取材ライターのつぶやき

自宅の災害リスクを正しくとらえ、地震や風水害などいくつかのシナリオを用意して、準備を進める必要性を感じました。家族やご近所との情報共有も大切。みんなで防災を考え、ペットも含めた家族全員の安全をめざしましょう!

取材協力/公益社団法人 日本愛玩動物協会

 

今回のSpecialist 公益社団法人日本愛玩動物協会 事業部 課長 竹田 千寿 さん

公益社団法人日本愛玩動物協会は、設立48年を迎えた公益法人。設立当初から、動物の正しい飼い方の普及啓発活動を行っています。また、正しい知識の普及啓発のために、「愛玩動物飼養管理士」や「ペット共生住宅管理士」、「ペットオーナー検定」などの教育事業などを行っています。


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